笹沢佐保【取調室】
取調室~静かなる死闘~
笹沢 佐保 著
税込価格:540円
出版 : 光文社
ISBN : 978-4-334-72285-2
発行年月 : 2010/07/01
利用対象 : 一般
佐賀市内のホテルで全国学生テニス選手権優勝者・小田垣悦也の撲殺死体が発見された。死体発見の数時間前、慌ただしく同ホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まる。“取調べの神様”の異名を誇る水木警部補が登場!
冒頭の、小田垣光秀がホテルをチェックアウトする場面が、何となく意味深長。
取調室での、警部補水木と被疑者小田垣との息詰まる攻防。「鉄壁のアリバイ」崩し。
まさにそこに焦点を絞ったもので、地味だが非常に面白かった。
警部補の心理は刻々と判るが、被疑者側の心理については、警部補の想像でしか描かれていない。
本書ではタバコが一つのアクセントになっており、近年だとこうした設定はしにくいだろうな。
水木の妻が、いい感じで描かれている。
折しも、「NHKドキュメント72時間」という番組で、元刑事が取り上げられていたらしい。退職して夫婦の時間を持てるようになった矢先、奥様が亡くなられたと。
それにしても、刑事という仕事は過酷だなぁ。
以下、ネタバレあり。
光秀の後妻の死は、少し不自然だなと思った。結婚後1年足らずでの事故死。
それが、彼女が北海道出身だと知って、確信できた。これは事故ではないのではと。
そのことが後に殺人の動機になっていくのだが、自分の推理が当たっていて嬉しかった。
シリーズになっているので、もう少し読んでみよう。
取調室
Kindle版価格:unlimited
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コメント
私は19才の時、ある出版社の文芸部門で受賞したことがあります。それだけにとても興味深く、読ませて頂きました。ありがとうございました。
投稿: 水口栄一 | 2024.07.15 19:42