山村美紗【殺意のまつり】
山村 美紗 著
税込価格: 432円
出版 : 文藝春秋(文春文庫)
ISBN : 978-4-16-724604-4
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般
二十年前に起きた殺人事件の真犯人が突然名のりをあげた。しかし、別に捕えられた男は無実を叫びながら十五年の刑期を終え、事件もすでに時効を迎えている。
【残酷な旅路】
いきなり、怖い話である。自業自得かもしれないが、何とか救いはないものか。
ちょっと夏樹静子を思い出した。
【恐怖の賀状】
これは、文句なしに面白かった。
年賀状を出すとき、番号を控えていたこともあったなぁ。
【五〇パーセントの幸福】
自分勝手な男が、恋人の赤ん坊を頑として認めない。
しかし、偶然がもたらしたこととは言え、赤ちゃんと母親が幸せになるようで、よかった、よかった!
一方、彼の結婚はもはや破局を予測させる。
血液検査って、色々あるんだなぁ。
【黒枠の写真】
これは、写真を使ってのトリック。
テレビが同じ型であったというのがミソなのだが、画面以外を写してしまったミスと言えるだろうか。
しかし、現場に行くのは大切だな。
当時、京都のテレビでは、藤山寛美が出ており、「部長刑事」が放映されていた。
ちょっとしたことだが、懐かしい。
【死者の掌】
セロファンに印影を写して利用するというのも、面白いアイデアだ。
【孤独な証言】
これも、本当に怖い話だった。
飛行機事故で唯一助かった女性の話。彼女の証言が色々な受け取り方をされる。
最後の一行が、一種のどんでん返しになっている。
しかし会社というのは、自己保身のためには何でもするのだな。
【殺意のまつり】は、「冤罪」を扱っている。
が、二転三転して、真実は……。
うーん、これは文句なしに面白かった。
「まつり」ねぇ!
画像は、中公文庫版。
殺意のまつり
Kindle版価格:432円
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