宮部みゆき【昨日がなければ明日もない】
宮部 みゆき 著
税込価格: 1,782円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-390930-1
発行年月 : 2018/11/30
利用対象 : 一般
29歳のシングルマザーから相談を受けた杉村三郎。彼女は16歳で最初の子を産み、別の男性との間にも子供がいて…。【「TRC MARC」の商品解説】より
帯には、「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」とあるが、冒頭のものも表題作も、「ちょっと」どころではない。
その【絶対零度】だが、こんなこと絶対に許されないと思うような人物ばかり。
きちんと成長できず、甘ったれた感覚のまま家庭を持つことに罪悪を感じる。
次の【華燭】は、面白かった。先のがひどかったので(作品等意味ではなく中身の状態が)、これで溜飲を下げたというか。
ただ、杉村は仕事としてではなく、「華燭」に出席する少女の付き添いという立場だったが。
さて、【昨日がなければ明日もない】。
辛い辛い昨日を引きずっていたら、明るい明日は来るのだろうか?
これまた『ダイナミックなトラブルメーカー』(探偵杉村談)の話。
ここまでひどいと、ホントに周りの迷惑は計り知れない。しかもそれが、しっかりと娘に受け継がれている。
最後に、この娘の行く手がどうなるのか、非常に気にかかる。
母親の轍を踏むのではないだろうか。
【華燭】も【昨日がなければ明日もない】も、姉妹の葛藤が出てくる。妹とあまり仲が良くなかった自分としては、少しだけ身につまされる。
もっともこの二作の場合は、ひどすぎるが。
久しぶりに読んだ宮部みゆきだが、やはりうまいなぁ。
昨日がなければ明日もない
2018年11月30日第1刷発行
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