浜口倫太郎【廃校先生】
浜口 倫太郎 著
税込価格: 842円
出版 : 講談社
ISBN : 978-4-06-293739-9
発行年月 : 2017/08/08
利用対象 : 一般
閉校が決まった小学校には、4人の先生がいる。十津川村に赴任して1年の香澄、頼りないながらも子供たちに慕われるよし太、自ら選んで僻地教育に従事する律子、そして校長の山中。6年生の卒業式までの波瀾万丈の1年を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
児童が7名と、先生は校長も入れて4人。
そんな山奥の学校が、次の3月には、廃校になる。
関わった人たちのさまざまな思いを、2年目の教師と六年生4人の視点で描いていく。
黒田香澄は、この学校へ赴任して二年目。4年生の担任だが、午後は6年生の副担任もしている。主担任の仲村よし太が頼りないからだ。
彼女の両親も教師で、当然といった流れで教師になったのだが、自分が向いているかどうか悩む。
6年生の十夢は、絵がうまい。父は腕のいい鍼灸師で、料理好きな母と妹という4人家族。
同じ6年生の愛梨は、アイドルを目指している。曽祖母の凜の存在がユニークだ。シングルマザーの美容師麻里は、なぜ大阪から故郷十津川へ戻ってきたのか。
家具職人の父と二人暮らしの優作は、中学受験をして村を出たいと思っている。
他に村人たちの故郷への気持ちも描かれているが、彼らは数年前の洪水被害の傷を、何らかの形で引きずっている。
最後に明かされる、凜と校長との関係も驚きであると同時に「そうだったのか」と納得。
そして、地区全ての人にとって、この谷川小学校は母校なのだった。
8年後、成人になったときに開けるというタイムカプセルを埋める卒業生と教師二人。
その8年後というのが少々出来すぎだが、ホッと出来る結末で良かったかな。
ビックリしたのが、さだまさしさんが十津川の観光大使で、ここを訪れているということ。本書にも、さださんが登場する。
廃校先生
Kindle版価格:842円
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