佐野洋【葬送曲】
佐野 洋 著発行年月:2008.3
出版社:光文社
レーベル:光文社文庫
ISBN:978-4-334-74393-2
短編の名手が、人の死の前後のさまざまなドラマを、ウィットあふれる筆致で描く、珠玉の連作ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】より
葬式にまつわる話の短編集。
今回(今回も)、ウソがキーワードの作品が多く、これはあまりポイントが高くない。想像とウソなら、何でもありになってしまうから。
そんな中で、【偽道士】と【名人芸】が面白かった。
【偽導師】は、外国で亡くなった友人の妻や子のために、高校時代の友人たちが葬式を計画してくれる。
そこでの導師の「演説」は、どこの宗派のお経にも無いものだった。
ただ、これを平仮名で表してあるのだが、「ひょっとしたら」という部分があって、こうした一種のアナグラムは楽しかった。
【名人芸】は、葬式の「名人」が登場。また、遺骨についても触れられている。
最近ご近所でも、ご家族が亡くなったことを公表(?)なさらない方が増えた。何ヶ月か経ってから、自治会を通して知らされる形もある。
義理に寄らない、それぞれの家族が納得出来る形で送ることが出来たら、それに越したことはない。
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