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2019.05.17

本多孝好【WILL MOMENT】

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価格:545円

    • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-08-746804-5
人の想いは死んでなお、愛する人によびかける…。18歳の時に両親を亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野。【「TRC MARC」の商品解説】

プロローグでは、森野の両親が事故で亡くなったところから始まっている。
彼女はそのまま、家業の葬儀屋を継ぐ。

4つの出来事を通じて、森野の話し方がぶっきらぼうで面白い。やや、露悪的とも言えるが……。
また、自分の名前が嫌いで、「モリノ(森野)」の「リノ」を愛称にしていた。

両親の時代からいる竹井という社員が、いい味を出している。

もう一人、試用期間中の桑田という音楽かぶれの若者も面白い。

また森野には、同じ商店街の文房具屋の息子で幼なじみで高校時代の同級生でもある  という友人がいる。ニューヨークで翻訳の仕事をしている彼からは、「待っている」と言われている。

 

ACT1は【空に描く】では、50代で亡くなった父親の葬儀を、元高校の同窓生が頼んでくる。
その父親は、母の再婚相手だった。幼かった彼女は新しい父に懐いたが、実父のことを覚えている姉は、父の好意をむしろ避けていた。
母は実父のいい加減さから逃れて、若干22歳の父と再婚していたのだった。

その父親の幽霊が出る。そんな噂が拡がると商売に差し支えると判断した森野は、真相を探り始める。

だが、思いがけないその真実は、なかなか感動的だった。

父が描いた画の中の母親がチュニックを着ているというところで感じた違和感。これが実は伏線だった。

いい話だったな!

 

ACT2【爪痕】は、少々うざったい話だった。
人に内蔵する悪意というのは、ささやかな他人の幸せを看過することが出来ないらしい。

 

ACT3の【想い人】は、「年の差なんて」が一つの話題。

従業員竹井と森野との、神田に関する話題にちょっとホロッとくる。

森野は、いつまで彼との間をこのままにしておくのだろうか?

 

ACT4【空に描く(REPRISE)は、エピローグも兼ねて再び元同窓生の話。母親が鬱状態になっているとの相談。
真相は、意外なところにあった。

そして、森野自身も結論を迫られる。

最後に、森野の名前が出てくる。
なるほど、気持ちは解るが、良い名前ではないか!これからは、名前らしく生きていくことだろう。

 

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