小湊悠貴【ゆきうさぎのお品書き】
価格:616円
カテゴリ:一般
発売日:2016/02/19
出版社: 集英社
レーベル: 集英社オレンジ文庫
サイズ:15cm/280p
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-680067-9
大学生の碧は、ある事情から極端に食が細くなってしまった。ある日貧血で倒れ、小料理屋『ゆきうさぎ』を営む青年・大樹に助けられる。彼の料理を食べ元気を取り戻した碧は、店でバイトすることに…?
こんなお店があればいいのにと思わされる。
序章では、この店を切り回していた女将が亡くなり、店がしばらく閉まっていたこと。孫である大樹が店を継いで、再開店したことが語られる。
そして、表題作【6時20分の肉じゃが】
「ある事情」というのは、碧の母親が亡くなったこと。碧だけでなく、父親の玉木もまた、憔悴していた。
大樹にそのことを指摘された碧は、大樹に習いながら「肉じゃが」を作って父と食べる。その朝食時間が6時20分ということだ。
第二話の【9時99分の思い出プリン】では、「ゆきうさぎ」の向かいに建つ洋菓子屋のお話。
そこの娘は「ゆきうさぎ」によく顔を出し、碧ちに仲がいい。
その兄は父親と店の経営のことで諍いを起こし、パリでの修行後帰国しても家へ帰ってこない。
売り上げが徐々に落ちてきている店を心配した碧たちだったが……。
【14時5分のランチタイム】
以前バイトをしていた菜穂と母親との意地の張り合い、というべきか。
感謝はしても、なかなか口に出せないのが親子である。
おいしい弁当は、雄弁に感謝を伝えてくれる。
【23時の愛情鍋】
そして終章【深夜0時の店仕舞い】
大樹が店を再開してから、ほぼ1年間を描いたもの。シリーズになっている。
本書のもう一人(?)の重要な登場人物(??)が、武蔵というネコだ。
決まった人にしか懐かないが、大樹が店を再開したとき、お客を呼び込んでくれた。
碧や三毛の窮地を大樹に知らせたのも、このネコだ。
こういう地域ネコがいるところは、きっと人情もあるんだろうな。
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