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2019.08.23

【探偵は今夜も憂鬱】

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価格:778円
カテゴリ:一般
発行年月:2006.11
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
サイズ:15cm/304p
利用対象:一般
ISBN:4-488-45903-X

美女に振りまわされつつ、事件調査も生活の糧にしているフリーライターの柚木草平。柚木を憂鬱に、そしてやる気にさせる美女からの三つの依頼。私立探偵シリーズ第三弾。【「BOOK」データベースの商品解説】

そんなはずはないのだが、【風少女】(19.08.12)の亮が中年になったような感じ。
シリーズもので、本作は番外的な中編3編。

【雨の憂鬱】【風の憂鬱】【光の憂鬱】いずれも依頼者は美人という設定。そして柚木は、美女に弱い。

柚木は元警察官である。何故止めたのかは、そのうちシリーズのどれかを読めば判るだろう。と思いながら読んでいたら、途中で登場人物の台詞として出てきた。
その元上司の女性とは、どうやらかなり親しい関係。


【雨の憂鬱】は、彼女が持ち込んだ話だ。
そしてここでは、何とも嫌な美女が登場する。

途中、元部下の警察官も登場して、柚木は彼に花を持たせることが出来そうだ。

【風少女】もそうだったが、権力を持たない探偵が単独でよく調べている。ちょっとした言葉のやりとりなどがヒントになっていて、うまく収束させている。

 

【風の憂鬱】は、行きつけのバーのマダムに紹介されたタレント事務所からの依頼で、女優を探すことに。

彼女のマネージャーというのがまた美人で、だがぶっきらぼうという設定。
殺人事件ではなく人捜しという、柚木には専門外(?)の仕事である。

今回も元上司に助けを求めての調査だが、最終的には柚木としてはすっきり解決とは言えなかった。
だが、いい結末ではなかったなか。タレントも人の子、人の親。
今後、幸せになれるだろう。

 

そして【光の憂鬱】でも、絶世の美女が登場する。
3年前に失踪した夫から手紙が来たという依頼。依頼者が、その美人である外村世伊仔。夫の外村峰夫は、ごくシンプルな生活スタイルの持ち主で、モノに執着しない性格だったという。

だが、結婚するときだけは両親の反対を押し切って婿養子として入った。

こういう一見淡泊な人間は、意外と粘着質なことがある。
今回も、それが顕著に出た例ではないかと思える。

これには、元上司は出てこなかった。その分、柚木の依頼者への思いが強いような……。

このシリーズ、最初から読んでみよう。

 

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