竹岡葉月【谷中びんづめカフェ竹善】
価格:637円
カテゴリ:一般
発売日:2019/05/17
出版社: 集英社
レーベル: 集英社オレンジ文庫
サイズ:15cm/271p
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-680253-6
コミュ障女子大生が「保存食専門カフェ」を営む英国人店主とその息子と織りなす、ほっこりおいしい人情ストーリー!
中編二つと短編一つ。
【おいしいベランダ。】シリーズの作者によるもの。
【瓶詰めという名のソリューション~猫の肉球を添えて~】
登場人物たちが個性的で面白い。
子どもの頃から人付き合いが苦手な、主人公紬。
宗教画に描かれているようなカフェのオーナー、セドリック。
かわいげのない彼の息子、竹流。
もっとかわいげのない、はちわれのネコ。野良だったのがセドリックの店に居着くようになり、「ねこ太郎」という名前まで頂戴している。
もっともっと個性的なのが、一見やくざ風、しかし東大卒のキャリア虎太郎。
紬が手仕事が好き、というのが次の話でのキーワードになる。
【腐敗と熟成と発酵の違いを述べよ。ただし個人の事情は含まないものとする】
電書では初出がわからないが、本書も中編小説として別々に公開されていたのだろう。
大学での友だち二人は印象ではなく名前で登場している。
店の説明がついているのも、短編集ではおなじみだ。さほどしつこくないのでがまん出来るが。
上手に付き合えば熟成できるものが、下手をして細菌を入れてしまうと、腐敗してしまう。
これは食べ物だけでなく、人間関係でも言えることだろう。
思いがけない、いやある程度予測の付く話の展開で、紬と竹流との距離も縮まったようだ。
【菱田家のたからもの】
菱田セドリックの亡くなった妻笑子さんが残したのは……
まだ松の内のお店。「準備中」の札を掛けたままで、その笑子さんの残したものを開けた三人だったが。
この日の竹流は、いやに素直だった。
そして、セドリックと紬。二人の仲は……。
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