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2019.09.26

【退職刑事 4】

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著者:都筑道夫
価格:648円
カテゴリ:一般
発行年月:2003.3
出版社: 東京創元社
利用対象:一般
ISBN:4-488-43405-3

老いたりとはいえ、さすが元名刑事。次々と鋭い質問を発して、座したままでの事件解決。恍惚どころか、硬骨の刑事といったおもむき。いつの間にか、すっかり頼りにする始末…。

【連想試験】

容疑者が取調中に、刑事に謎を掛ける。
それが、「連想試験」というもの。

自分も消されるかもしれないと覚悟している容疑者(ヒットマン)が出した問題は、昔を知っている退職刑事ならではの連想で解けた(?)

【夢うらない】

これも、容疑者の話からはじまる。

被害者は、老学者とその若い妻。
容疑者というか、名乗り出たのは最初の妻の娘の夫。

同居している次男は、定職がない。
容疑者と亡くなった妻の子ども(被害者の孫)や次女も同居している、一応大家族。

彼らが口を合わせてのことではと推理した退職刑事だったが……。
この元刑事自身、夢で見たことが気になっている。それは孫への約束だった。

気になっていることが夢で現れるのは、よくあることだ。

【殺人予告】

【あらなんともな】

表題は、芭蕉の俳句『あらなにともなや きのうはすぎて ふぐとじる』から来ている。

退職刑事の友人に推理小説作家がいる。その彼が、友人の残した書きかけの小説を完成させるために、実際の事件のように退職刑事・現職刑事の意見を聞きたいという。

ふぐのコースをご馳走になるのだが、小説もてっちりで旧交を温めた6人が登場人物。

 

【転居先不明】

転居先不明のハガキを持っていた男が殺された。差出人も受取人にも、この人物に心当たりはない。
人間関係がやや複雑で、わかりにくい事件だった。
関係者の一人と一緒に暮らしているアメリカ人の献身(?)が、ちょっと微笑ましい。

 

【改造拳銃】

改造拳銃を使って、二度も殺人を犯した男。
一度目は、ヤクザにおびえる妻のために。
二度目は、再婚した妻を殺す。

一度目に世話になった警察官を訪ねて自首してきた。
果たして真相はどこに?

【著者サイン本】

これも、退職刑事の友人である推理作家が持ち込んだ話。
彼の著作を送った友人が死んで、その蔵書が古本屋から著者である推理作家の元へ戻ってきた話。

そこには友人の書き込みがあり、自分の作品をヒントに彼が妻を殺したのではと、推理作家は悩む。

ここでは、老練な退職刑事が率直な現職刑事の言動を慮って、ちょっとした細工をする。

【線香花火】

季節は、いつの間にか夏になっている。
「線香花火」から連想するものは?

 

シリーズも4冊目に入り、マンネリを恐れたのか少々変わった趣向のものが多かった。
推理作家が二人の意見を元に友だちの遺作を完成しようとしたり、容疑者からのなぞなぞに頭を捻ったり。


実際の現場を描いたのではなく間接描写のせいもあって関係者だけで完結しているような感もあり、話が分かりにくいところもある。

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