佐藤多佳子【明るい夜に出かけて】
著者:佐藤多佳子
価格:737円
カテゴリ:一般
発売日:2019/04/26
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-123736-7
富山は、ある事件がもとで心を閉ざし、大学を休学して海の側の街でバイトをしながらひとり暮らしを始めた…。実在の深夜ラジオ番組を織り込み、夜の中で彷徨う若者たちの孤独と繫がりを暖かく描いた青春小説。【「TRC MARC」の商品解説】
第30回山本周五郎賞受賞
佐藤多佳子さんは好きだ。
接触障害の学生富山は、大学で当時の女友だちに触れられたのを機に学校へ行かなくなり、家を出てバイトで暮らしている。
バイト先のコンビニでの人間関係も、なかなかうまくいかない。
第一章の「青くない海を見てる」では、そんな富山の暮らしを描く。
第二章「ミス・サイコ」では、同じラジオのリスナーがコンビニにやって来る。
この子との関わりを描いていく。ミス・サイコとは、富山が彼女に奉った名称。
第三章「二つの名前」では、コンビニバイトの先輩・富山の高校時代からの友人永川、それにミス・サイコこと佐古田も加わってのSNS関係を。
第四章「ただの落書きなのに」
富山がバイト仲間である「だいちゃ」の出演したライブの感想を書き付けた「落書き」を当人に見られ、やがてそれが歌詞に昇華していく顛末を。
第五章「エンド・オブ・ザ・ワールド」では、好きで聞いていたラジオ番組がまさかの終了に。
本書では、深夜番組の二部から一部に昇格し、また二部になることで生き延びたアルコ&ペースという実在のコンビも登場していた。
休学中の一年間で、富山が成長していく様子が、彼のモノローグだけで描かれていく。
4人の関係も次第に深まっていき、彼らとのつきあいによって、気がつくと富山は少しずつ変化していたのだった。
解説の朝井リョウさんは深夜番組も持ってらして、実に丁寧な解説文を書いて下さっていた。
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