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2019.10.14

柚月裕子【慈雨】

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著者:柚月裕子
価格:836円
カテゴリ:一般
発売日:2019/04/19
出版社: 集英社
レーベル: 集英社文庫
ISBN:978-4-08-745858-9

16年前の幼女殺害と酷似した事件が発生。かつて刑事として捜査にあたった神場は、退職した身で現在の事件を追い始める。消せない罪悪感を抱えながら…。【「TRC MARC」の商品解説】より

表紙が、堂場俊一【ラストダンス】(12.09.17)と似ている。

神場が妻と四国遍路をしながら、立ち寄った先々で現職時代を思い出す。

その話が、結構辛いものが多い。

娘幸知の生い立ちも、途中で語られる。

また、神場が巡礼に出ようと思ったのは、過去の事件への悔恨があるからだ。
折しもその16年前と同じような事件が起き、捜査は難航している。
神場は元部下の緒方から連絡を受けながら、常に過去と向き合っている。

その事件については折に触れ語られるが、実際に具体的に出てきたのは、ほぼ半分ほど経ったところでだ。
任官中の出来事など細々と語りながら、何となく引っ張っているような印象も受けた。

また、16年前の事件に触れてからも、くどくどと同じところを繰り返し述べているのに、イライラする。
従って、読みはなかなか進まない。

そして、神場がたどり着いた推測は、読んでいるものにも容易に想像できるものだった。

結局神場の結論が正しかったのだが、もっとテンポよく進んで欲しいと思いながら読み進めたのだった。

 

登場人物たち

神場智則
妻 香代子
娘 幸知(さち)

緒方圭祐 :元部下で幸知の恋人

鷲尾調(さとし) 神場の2つ年下。今は群馬県警捜査一課長。

川瀬(53歳) 遍路ころがしで三度出会った逆打ち巡礼の男。暗く、深い闇に満ちた目。この男の話から神場はヒントを得る。

遠壬山(とおみやま)

ここに出てくる「宇和海展望タワー」には、ぜひ行ってみたい。

最終場面、何もかもが落ち着いて結願時へ向かうとき、「慈雨」が降る。
このシーンはよかった。

 

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