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2019.11.19

樋口有介【夏の口紅】

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著者:樋口有介
価格:607円
カテゴリ:一般
発売日:2009/07/10
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-753108-9

夏休みの十日間を描いた、甘くせつない青春小説。【「BOOK」データベースの商品解説】

「ぼく」笹生礼司の母親や、父の再婚相手の姉の描写など、著者の作品には少々変わった女性が登場する。今回も彼女らからは、少々鬱陶しい印象を受けていたのだが……。

季里子も最初そうした女性たちの一人かと思ったのだが、よくしゃべるようになってからが、俄然面白くなる。

父の遺言で、遺品の蝶を渡すべく姉を探すが……。

途中、季里子の叔母で今は母親になっている高宮夫人からは、季里子と付き合うなと言われてしまう。

そして、思いがけない展開が。姉という人の親友だったのは……。という真実。

この礼司は、一見いい加減な大学生のようで、実はかなり繊細な青年だ。

そして、最後の一言がいい。
たしかに、20歳過ぎての初恋なんて、かっこ悪いかも。

 

解説が米澤穂信というのも、ひょっとしたら偶然ではなく必然であったのか。

この本を読んだ人の感想に、「初めて読んだ、もっと読みたい」というのがあったが、ある意味裏切られると思う。
本書は、著者にしては珍しく(?)純な小説だ。

 

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