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2019.12.21

荻原浩【家族写真】

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著者:荻原浩
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2015/04/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-293082-6

縁あって家族。誰よりもやっかいで、誰にも代えがたい。娘の結婚、加齢に肥満、マイホーム購入…。【「TRC MARC」の商品解説】

今ひとつ面白くないのもあったが……

【結婚しようよ】

妻を亡くして、男手一つで息子と娘を育てた、定年前のおとーさん。
娘が結婚することになり、感無量。

これは、まぁまぁマシだった。

【磯野波平を探して】は、波平と同じ年になると知って動転する50代。

【肉村さん一家176kg】は、メタボまっしぐらの30代サラリーマンの、減量狂想曲。ま、平和でいいか。

【住宅見学会】

この「住宅を見学してもいい」とした家族は、どうして承知したのだろう。
見学者の妻が想像したように、お金のためか?

高級そうな住まい方をしているように見えて、困っていたのか?
「ボケがうつる」とか「ひきもうもり」という言葉を、幼い少女が口にするような家族。

【プラスチック・ファミリー】

読み始めたときは、その最低ぶりが嫌になった。
50過ぎの、独身男。職場に遅刻して、クビになったばかり。
持ち金は1000円を切っている。

やけ酒(こういう人間って、何故か酒だけは飲む)を煽って帰宅途中、廃品回収置場で一体のマネキンを見る。
彼女は、昔好きだった女性に似ていた。
そのあとは、少々狂気の沙汰かもしれない。

その後、そのマネキンを拾って帰り、妻とみなす。子どものマネキンまで手に入れ、疑似家族になる。
家族のためにマジメに働くようになり、少しずつだがまともな暮らしになっていく。

だんだん、この男を応援したくなった。まさに、著者の思うつぼかも。

最後に、昔の彼女との思い出のある海岸に行き、「家族写真」を撮る。
そして……

何故か泣けてきた。

【しりとりの、り】は、面白くなかった。

 

表題作【家族写真】

頑固な父親が経営している写真館と、その三人の子どもたち(プラス長女のパートナー)というか家族の再生物語。
こううまくいくとは言えないが、最後にホッとすることが出来た。

 

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