澤村御影【准教授・高槻彰良の推察】
価格:660円
著者:澤村御影
カテゴリ:一般
発売日:2018/11/22
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-107532-6
噓を聞き分ける耳を持つ大学生・深町尚哉は、幼い頃に迷い込んだ不思議な祭りのレポートがきっかけで、怪事件を収集する民俗学の准教授・高槻に気に入られ、助手をすることに。【「TRC MARC」の商品解説】
民俗学も学ぶことが出来るのか?
尚哉の「獲得している力」は、本人にとってはとても辛いときがあるだろう。
高槻との距離感に、ちょっと違和感あり。
もっとも、本人(尚哉)もそれでいいのかなと思っている節はあるが。
【シャーロック】の若宮を思い起こさせる。勿論、相手が違うし、シャーロックの方がキツいが。
高槻は、つい奥田英朗の精神科医を思い出した。
講義の時の「先生」とのギャップありすぎ。
この高槻のサイトに投稿された相談事を解決するのに、(幼い頃の体験から嘘を聞き分けられる)尚哉は、アルバイトとして付き添っていく。
第一章【いないはずの隣人】は、事故物件と思わせて実は……。という仕組み。途中で何となく判ってしまうのが惜しかった。
第二章【針を吐く娘】は、女子の親友同士にはありがちの話かもしれない。
第三章【神隠しの家】になると、いよいよ怪奇現象かと期待させられる。
友人が神隠しに遭ったと高槻に相談を持ちかけてきた女子高生。その怪しい家へ行く羽目になった、高槻と尚哉だったが……。
事件が解決してからの、高槻のセリフ。
「不思議な話が生まれる背景には、そのまま語るには陰惨すぎる現実の事件があることが多い。人は,そういう嫌な事件を伝説や物語に作り替えることで安心するんだ」
警視庁捜査一課の佐々木は、高槻の本当の友人だ。何もかも承知した上で、時に保護者になっている。
だが、楽しい本だった。
一気買いでシリーズの3まで買っているので、しばらく楽しめるだろう。(マンネリ過ぎにならねばだが)
幼い頃の体験で「孤独」を選んでしまった尚哉の、実家での扱われ方がかわいそうだ。
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