白川紺子【契約結婚はじめました。 3】
著者:白川紺子
価格:605円
カテゴリ:一般
発売日:2018/06/21
出版社: 集英社
レーベル: 集英社オレンジ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-680196-6
<椿屋敷>と呼ばれる一軒家に住む香澄と柊一は、ワケあって結婚した「偽装夫婦」。――しかし最近、偽装とも言い切れない感情が、お互いに芽生えつつあるような。そんな時、香澄の元・許婚の晶紀が、椿屋敷の裏にあるアパート<すみれ荘>に引っ越してきた! 彼の目的はもちろん――。また、ひょんなことから、すみれさんに二人の秘密を知られてしまい……?
この表紙が気に入って、ついポチってしまった。
【秘花】
一口に椿といっても、随分種類があるというのは、これまでのところでわかった。
同じ樹からの枝変わり(突然変異)で、花の形は同じでも、色が随分違うのもあるらしい。
染川(薄桃色に紅の絞り)→墨染(紅)→白乙女(白)
この花を巡る、柊一の学生時代の友だち、薬師の婚約報告がある。
そして、香澄の元婚約者晶紀が、すみれ荘に越してきた。
さて、どうなる?
【火宅の恋】
すみれ荘に越してきた晶紀と柊一の、香澄を巡る密かな闘い。
本人は気づいていないみたいだが、柊一は晶紀に嫉妬している。香澄はあくまでも晶紀を兄として慕っているのだが。
尋ねてきた晶紀を商店街へ案内するという香澄に、柊一は自分も行くと言う。何だか微笑ましい光景だが、本人は必死のようだ。
香澄も少々、気遣いがなさ過ぎる。
椿の名前に東西で違うことがあるとは、初めて知った。
【金魚は忘れない】
今回は花ではなく、葉っぱが金魚に似ている椿の話。
【すみれ荘にて――君はスピカー――】
今回、すみれ荘の住民勢揃い。
檀の友だちの大学生が、一度皆で揃って宴会をしないかと持ちかける。
実は彼は、隣に住む未亡人が気になっているのだ。
彼女は絢さんの兄の友人である連れ合いを亡くして、このすみれ荘へ越してきたのだった。
小学生の娘がいるが、姑がしょっちゅう訪ねてくるのが、母子ともに少々気詰まりに感じている。
姑は、娘を引き取りがっているのだ。
そして宴会当日。各々が持ち寄った料理は、それぞれ個性があっておいしそうだった。
【ふたたび、椿屋敷】
梅雨の頃。
香澄の誕生日を忘れていた柊一。
お詫びに何か送ろうとするのを断って、アジサイを見に連れて行ってほしいとせがむ香澄。
アジサイは好きな花かと聞かれて、花は全部好きだと答える香澄。
でも、と香澄さんは柊一を見あげて、笑いかけた。
「いまは椿の花が一番好きです」
柊一は驚いたように香澄さんを見て、
「ほんと?うれしいな」
と、少年のようなはにかんだ顔で笑った。
というところで、今回は終わり。
香澄は働き者だが、家の中でパタパタと音を立てて走り回るのはどういうものか?
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