【宮部みゆき よりすぐり短篇集】
著者:宮部みゆき
価格:980円(Kindle版)
販売開始日:2019/12/06
出版社: 新潮社
傑作は、いつ読んでも、何度読んでも素晴らしい――。収録作はあらゆるジャンルを網羅した計12篇。初心者は納得の、ファンには目から鱗な読みどころポイントを押さえた全作品解説付。
紹介文には「目から鱗」とあるが、いえいえ、皆懐かしい。殆どが、すぐに思い出せる作品ばかり。
【サボテンの花】(「我らが隣人の犯罪」所収)
やっぱり、最後は泣いてしまった。
【雪娘】(「チヨ子」所収)
これは、あまり読後感がよくなかった。
【十年計画】(「人質カノン」所収)
深夜。女二人の会話。
いったい、どんな状況だろう?
この疑問は途中で明かされるのだが、うまい設定だ。
【朽ちてゆくまで】(「鳩笛草 燔祭/朽ちてゆくまで」所収)
読んでいくうちに、だんだん思い出してきた、辛い能力のことを。
しかし、最後に智子がこの能力をうまく活かそうとしていることが判ったのが、救いだ。
本編に出てくる逸子のような女性は、宮部作品には時折登場する。
そのたびに、ホッとする。
智子は、そのうち自分の未来も見えるようになるのかな。
【寂しい狩人】
狩人は、誰を指すのだろう。
古書店主の孫稔は、17歳。
ふと、【東京殺人暮色】の少年を思い出した。
彼よりは、かなり年長になるが。
【刑事の財布】(「ながいながい財布」所収)
財布が語り手の連作。一つ一つは覚えていないが、どれも面白かったと思う。
たしかに、「解説」が素晴らしかった。
やはり、宮部みゆきはうまいなぁ。
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