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2020.06.27

谷崎潤一郎【陰翳礼讃】

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著者:谷崎潤一郎
価格:524円(中公文庫)
カテゴリ:一般
発行年月:1995.9
出版社: 中央公論社
レーベル: 中公文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-12-202413-7

日本の美学の底には「暗がり」と「翳り」がある−。日本人の暮らしの美学について、さまざまな方向から論究したもの。

これは昭和の初め頃だろうか?

障子紙越しの光のやわらかさ。長い庇を通ってくる風を受ける縁側。ちょっと暗いトイレ、いや厠。
土間の台所。

本書が書かれた頃は、まだ完全には洋風化していない住居が多く、それらが喪われていくのを嘆くような記述も見える。

そう言えば子どもの頃の家は、京都のも大阪に越してからも、トイレが住居部分から言えば外にあったな。わざわざ外へ行くのではなく(母の実家の郡上の家はそうだったが)、縁側から廊下伝いに行く。
手水があって、水は吊した容れ物(なんと言ったっけ?)に入っていた。

この廊下部分が、一人遊びに格好の場所だった。

しかし、それなりに便利さと明るさに慣れた今、たまに行ったお寺のたたずまいはいいなと思うけど、住まいとしてはもう戻れない。

 

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