« ダンボーノート | トップページ | クラウド家計簿「kakei+」つづき »

2020.06.03

朝倉かすみ【たそがれどきに見つけたもの】

Photo_20200530132101

著者:朝倉かすみ
価格:682円
カテゴリ:一般
発売日:2019/10/16
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-517273-5

夫は高校の同級生。卒業後十数年ぶりに再会し、結婚した。けれどある日、高校時代の友人の口から、かつて好きだった卯月くんの名前が出て−。人生の「秋」をむかえた大人たちの、ほろ苦く、そして甘やかな6編の物語。【「TRC MARC」の商品解説】

いずれも50歳をすぎたおばさんたちのお話し。

共通しているのは、それぞれの短編での主人公がどんな人物か、かなり読まないと判らないということ。

表題作【たそがれどきに見つけたもの】は「わたし」という一人称で語られているのだが、何故かこれが男性かと思い込んでいた。
1ページ目に出てくる、女性と別れて駅を出たのも、夜道を歩くときのことも。

人生を勝手に80年と決めて、4つの季節に割り振ってみる。
50歳過ぎは、中秋にあたるのか。

【その日、その夜】

タバコはよくないと、あらためて思う。

【未成り】

ここで出てくるのは、全員小太りのおばさんパートタイマー。その中で、ゼンコ姐さんと呼ばれている女性だけが、ひとりやや派手な過去を持つ。服装やスタイルも、他のおばさんたちとは違う。

【ホール・ニュー・ワールド】

平凡な家庭の主婦がコンビニでパートをして、そこで出逢った年下イケメン男子とのちょっとドキドキ物語。

【王子と温泉】

地方局のアナウンサーを王子と呼ぶ主婦たちが、一種のファンサービスでの温泉旅行。
【ホール・ニュー・ワールド】と同じく平凡な家庭の主婦が、つかの間浸った夢の世界。

【さようなら、妻】

唯一、男性が主人公。これが一番よかったかな、と思ったのだが、ちょっと肩透かしの感あり。
タイトルからして、男の妻はいないようだ。

帰宅途中にある、男が開店当初から気にしていた居酒屋に、フラッと入ってみる。
開店のチラシを一緒に配っていた店主の妻はいない。どうやら自分とご同様なのかと、男は勘違いする。
男の妻が体調不良を訴えていた回想などもあって、ミスリードを誘っている。

この妻が最初のデートで着てきた服がよかった。
アジサイが水玉のようにちりばめられた袖なしのワンピースと、紫陽花色のサマーカーディガン。

紫陽花の季節になったなあ。

 

|

« ダンボーノート | トップページ | クラウド家計簿「kakei+」つづき »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ダンボーノート | トップページ | クラウド家計簿「kakei+」つづき »