
著者:近藤史恵
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2014/04/27
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
サイズ:15cm/253p
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-42704-7
ビストロ・パ・マルへようこそ。絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ! 客たちの巻き込まれた不思議な事件や不可解な出来事。その謎を解くのは、シェフ三舟。傑作連作短編集。【商品解説】
何やら難しい名前の料理名がならぶが、フランス郊外の家庭料理のようだ。
ここ「ビストロ・パ・マル」は、スタッフ4名、テーブル席とカウンターが七つという小さなビストロ。
そこで起きる料理を巡る謎を、シェフの三舟が解決するという仕掛け。
三舟はフランスでの修行中、「MIFUNE」という名札で勘違いされて、「三船敏郎の子孫だとか、サムライ」だとか言われてきたらしい。
その彼が東京で開店する時、ぜひ雇ってほしいと言ってきたのが、スーシェフの志村。
あと、ワイン好きが高じて、OLを止めてソムリエになった金子。そして語り手のギャルソン
冒頭は表題作【タルト・タタンの夢】
舞台女優を応援するあまり、彼女が結婚すると効いて嫉妬のあまり相手を困らせるファン。
自分のことしか考えていないと、応援している人にも迷惑がかかる。
ひどい偏食家が愛人と訪れるが、その彼さえもおいしいと言わせるシェフの料理。【ロニョン・ド・ヴォーの決意】
一方、愛人は妻の料理がひどいからと、自分がその位置に座ろうとする。
愛があれば手間暇かけた料理を出して尽くすべしと言うこの女性は、まだ若いのに。
一方の妻は、本当に夫のためを思った料理を作っている。
それにしても、男の身勝手なこと。
【ガレット・デ・ロワの秘密】
スーシェフの奥さんは、シャンソン歌手だという。
クリスマスディナーショーに出演の予定が、ホテルがボヤを出してキャンセルに。
それならと、三舟が交渉して店で歌って貰うことに。
終わった後供されたガレット・デ・ロワについて、志村の妻が12年前のパリでの不思議な出来事を話し出す。
ケーキに入れたはずの陶器が、切り分けられた誰の一片からも出てこなかったのだ。
さすがに目の前で起きたことではないので判らないだろうと思うが、三舟はそれも解決する。
【オッソ・イラティをめぐる不和】
何とも不器用というか、鈍いというか。
妻の話をろくに聞いていない男というのはいるものだ。
【理不尽な酔っぱらい】
不良高校生が考えた、スイカにアルコールを注ぎ込んで食べるという方法。
その不祥事がなければ、甲子園に行ってたかもしれない、この商店街の甘味処の主。
おいしい和スイーツが供されるのは、最高!
【ぬけがらのカスレ】
カスレをめぐっての一組の男女の愛の行方。
まるでシャンソンみたい。
【割り切れないチョコレート】
素数ばかりの個数でパッケージされたチョコレート。
この男性は母のことを思い、一生懸命修行して、日本へ帰って店を出した。
だがその時には母はもう、チョコレートを食べる力がなくなっていた。
これまた、不器用な男の話。
どれもおいしいそうな料理が並ぶが、家庭料理とは言っても、やはりレストランでの手が込んだものばかりだ。
それにしても、脂分が多いような気がする。脂はおいしいものね。
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