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2020.09.30

「半沢直樹」と、9月の検索語

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ドラマの「半沢直樹」が高視聴率を挙げていた。
時代劇だという指摘が多かったが、女性観が気になるという声も。
そういうことも含めてあまり好きになれなくて、観ようとは思わなかったが。

さて、9月の検索語から。

◆宮部みゆき「魔術はささやく」(04.06.12)
西村京太郎【寝台特急あかつき殺人事件】(17.11.23)
漣健児さん死去(05.07.15)

内田康夫【秋田殺人事件】(14.10.18)
村井理子【村井さんちのぎゅうぎゅう焼き】(15.12.28)
よしながふみ【きのう何食べた? 16】(20.01.02)

入江敦彦【秘密の京都】(08.03.16)
原尞【そして夜は甦る】(10.07.14)

LINEのびっくりマーク(12.11.16)
ドラマ「海の斜光」(14.11.07)
森村誠一【海の斜光】(09.12.24)

【手塚治虫=ストーリー漫画の起源】(06.04.14)
横溝正史【悪魔の手毬唄】(15.08.02)
新幹線ひかり、なぜ岡山行き多い?(17.05.02)

【盲導犬不合格物語】(06.06.10)
千里山佐井寺図書館(04.11.24)
電子マネーは別路線 ピタパ、後払いネック 【大阪】(13.03.14)


「読書メーター」と、8月の検索語(20.08.31)

 

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2020.09.29

青山美智子【猫のお告げは樹の下で】

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著者:青山美智子
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2020/06/04
出版社: 宝島社
レーベル: 宝島社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-299-00530-4

失恋のショックから立ち直れないミハルは、ふと立ち寄った神社でお尻に星のマークがついた猫・ミクジから「ニシムキ」と書かれたタラヨウの葉っぱを授かり…。【「TRC MARC」の商品解説】

著者の【木曜日にはココアを】が好きだったので、読んでみた。

とある神社に時折現れる猫。
おりしもやってきた悩みを抱えた人間に、葉っぱの「みくじ」をくれて去る。
その葉っぱには、カタカナで一言書いてあるだけだった。

章ごとのタイトルが「○枚目」とあるのは、葉っぱだから。

【一枚目】ニシムキ

最初の「お客」は美容師。
ケチだからというだけではないが、苦手な叔母が近所に越してきて部屋を訪れることになる。
叔母のマンションには、普通はあまり歓迎されない、「西向き」のお部屋が居間になっている。
しかしそこから見る夕暮れの景色は、素晴らしいものだった。
なんとなく敬遠していた叔母の意外な一面を知って、これからも時々来ることにする。
「ニシムキ」は、幸せの言葉だった。

【二枚目】チケット

小さい頃はかわいかった娘も、だんだん「親父」から離れていく。
そんな娘が父親に、「スマホを貸してくれ」という。アイドルのコンサートに行くには、スマホからチケットを申し込む必要があるのだ。
そんないきさつから娘と一緒にコンサートに行った男だが。
若い子たちの中に混じった中年男。しかしそのおかげで、アイドルはこちらに笑顔を向けてくれた。
ひそかにそのアイドルの歌を覚えて会場で一緒に歌う男が涙ぐましい。妻(つまり母親)が、いい感じで登場している。

【三枚目】ポイント

ポイントって、何だろう?

就活をしていても内定を一つももらえない「ぼく」は、バイト先の先輩がギターをくれるというので家を訪ねる。
時間があって立ち寄った神社で、「ミクジ」と出会う。
ミクジがくれた言葉は、「ポイント」だった。

それまで誰かに指示されるまま大学卒業間近になった「ぼく」だったが、それをきっかけに「自分の現在」を探そうとする。

先輩の竜三さん、父親から紹介された不動産会社の社長。
大事なことを気づかせてもらえた。

竜三さんがカレンダーのようなものにつけている「ポイント」は、「自分がありがとうという気持ちになったときにつけるのだという。
一枚一杯になったら、自分が本当に幸せだと思うと。

「ポイントがいっぱいになったら、すっげえ喜びがもらえる」という竜三さん
これって、まねしてもいいかな!

 

【四枚目】タネマキ

プラモデル屋を辞めたら、妻と老後を楽しもう。
そう考えていたのに、妻はサッサと家を出て行ってしまった。
「ワシ」が考えていたことなど、何も知らずに。

そのあとへ、息子の嫁が子どもを連れて住み込んだ。息子は単身赴任している。
この嫁が、実に口が悪く

 

【五枚目】マンナカ

これはかなりつらい話だった。

ぼく、深見和也は、地方都市から東京の学校へ転校してくる。

おかしいなと思っても気づかないふりでごまかし続けていたら、何かが少しずつずれていって、最後には元の自分がわからなくなって退職した山根先生。

それと対照的に描かれているのが、担任。なにもフリルのついた服を着せたりつけまつげをさせたりしなくてもいいと思うのだが、こちらは「分かってない人」の代表というわけか。

子どもというのはその時代の戦国で生きているから、時に残酷で容赦ない。言い方を変えれば、「長いものに巻かれて」いる方がらくだからだ。
養護教諭のようにドシドシと歩き(こちらも典型的な描写)、何者をも気にしない生き方は、なかなかできるものではない。

「マンナカ」とは、自分自身で見つけるもの。自分らしく生きられる場所のこと。

今回猫のミクジが、二度も現れてくれたのはよかった。
こんな猫、会いたいなぁ。

【六枚目】スペース

人生の様々な「スキマ」のはなし。


【七枚目】タマタマ

「偶然」星占いを知って行きつけの居酒屋で占ったら、それが評判になり……。

高校時代の友だちとも「偶然」出会って、さりげない付き合いが続いている。
彼の事務所へ行くことになり、その途中にあったのが件の神社。

個々に出てくる「玉木たまき」さんという老婦人は、素敵な方だ。

 

それぞれの話が、微妙につながっている。
神社への参道で、登場人物たちが知らずにすれ違ったり。
公文教室や【タマタマ】のともやんの事務所があるのが、同じ古いビルだったり。

最後の【ここだけの話】は、神官さんの語りという体裁をとって、登場人物たちの「その後」を書いてある。
神官さんも、無事「ミクジ」に出会うことが出来た。

ああ、「ミクジ」に会いたい!

 

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2020.09.28

名探偵ポワロ(24)【スズメバチの巣 】

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これも短編で、【教会で死んだ男】の中にあるらしい。
【教会で死んだ男】は読んでいるが、まったく覚えが無い。
前回の【プリマス行き急行列車】も、これに収録されているのだった。

「人は寿命が判ったとき、何をするのか」がテーマと言えようか。

今回は殺人事件ではないが、より綿密に練られた殺人計画ではあった。
しかし、この妻はひどいな。

 

スズメバチに刺されるというのはとても怖いことのはずなのに、巣のある家の持ち主は何度でも刺されたと言っている。
また、青酸カリの毒性はもっと急激ではなかったっけ?実際には飲んでいないから症状は現れないのだが……。

家の主が日記を書くシーンが、大きなヒントになっているのだった。

 

ロンドンの8月は、午後7時半でも充分に明るいのだな。

 

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2020.09.27

原田マハ【でーれーガールズ】

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著者:原田マハ
価格:638円
カテゴリ:一般
発売日:2014/10/10
出版社: 祥伝社
レーベル: 祥伝社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-396-34070-4

1980年、岡山。夢見がちなマンガ少女・鮎子と、気が強いけどどこか陰のある美少女・武美は出会う。【「TRC MARC」の商品解説】

小日向アユコこと佐々岡鮎子は、売れっ子の漫画家。
その鮎子の元に、母校の周年行事での講演依頼が届く。
発信人は同校の国語教師、荻原一子。

迷った鮎子だが、追伸の文言につい惹かれ、承知する。
当時の同級生たちによる、同窓会もあるという。

そして本筋は、岡山を訪れた鮎子が30年前を回想しながら、町並みを巡っていく話。

鮎子のデビュー作の原型は、高校時代に作られた。
「妄想」の恋人との連載ものである。

驚くべきことに、荻原一子は当時の級友武美だった。
この武美には、東京から転校してきて岡山に馴染みのない鮎子は最初意地悪をされるのだが、後に親友になる。

各章は

【鮎子の恋人】【欄干ノート】【時間よ止まれ】【ジョージのブローチ】【聖夜】【リボンの白】【友だちの名前】

と、時系列に進んでいき、放課後のアバンチュールや実際に出会った男子との交際など。

いよいよ、講演の朝……。


岡山へは、家族とは市内以外の場所へ度々行った。
市内でも泊まっているが、それは仕事でのこと。市中を歩いたこともない。

自分の高校時代などふと思い出しながら、楽しく読んだ。
最後はメロドラマ的で、お涙ちょうだいの感がなくもなかったが。

 

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2020.09.26

「よつばと!原画展」に行ってきた

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「よつばと!原画展」に行ってきた。

まずは入る前に、検温や「チェックリスト」の説明を。
チェックリストへの記載は止めて、メールでの連絡にする。
当然アルコールでの消毒等も経て、ようやく入館できる。

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→ は、本来の「手塚治虫記念館」の住人、「サファイア姫」。
入ったところのホールでお出迎え。

【リボンの騎士】は雑誌連載中に読んでいた。なつかしい【男装の麗人】(?)である。

幸い平日なので、空いていた。
土日は先の連休までは人数制限をして完全入れ替え制を採っていた。

 

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原画はもちろん撮影禁止だが、入り口付近の何点かのパネルは撮影オッケーだった。

原画の緻密さに感心したり、小物まで用意なさっていることに驚いたり。

各国語に翻訳されていて、そのタイトルの付け方も面白かった。

また、表紙絵の原画は本よりは淡い感じを受けた。

著者がこの展示会のために描かれたアナログの絵もあったが、柔らかい雰囲気でやはりいいものだ。

 

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2020.09.25

近藤史恵【賢者はベンチで思索する】

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著者:近藤史恵
価格:693円
カテゴリ:一般
発売日:2008/06/10
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-771603-5

ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。【「BOOK」データベースの商品解説】

中編三編。

【ファミレスの老人は公園で……】
七瀬久里子は、専門学校を出たものの希望する職種に就職できず、ファミレスでアルバイトをしている。
一歳下の弟信は二浪中。ゲームばかりして受験勉強をしている様子はない。
この弟は、子どもの頃悪ガキで動物をいじめたりしていた。

久里子のバイト先には、コーヒー一杯で何時間も新聞を読んでいる老人がよく来る。
彼は、公園でお茶を点てたりしている。

その七瀬家に、犬がやってきた。
それをきっかけのように、久里子は公園で件の老人(国枝)と話すようになる。

一方信は、夜明け近くによく家を出て行く。
折しも、犬を狙った事件が起き、久里子はひょっとして信の仕業ではないかと悩む。

少々ハラハラさせられるのだが、登場人物も少ないし、途中で犯人は判ってしまう。

だが、この「事件」を解決に導いたのは、国枝だった。
タイトルの「ベンチで思索する賢者」というのは、どうやら彼のことらしい。

【ありがたくない神様】

久里子がバイトをしているファミレスで、客からクレームが来るという事件が起きた。
従業員の態度が気に入らなかった客の嫌がらせだったのだが、このことで国枝の言ったことば。

「世の中にはもちろん、たくさんのルールがあって、それを守らなくてはならないが、だからといって、小さなルールを破ったくらいで、大きな罪を犯したのと同じ罰を受けるべきではないというのも、大切なルールのひとつだろうね」
昨今の世情を鑑みるに、考えさせられる言葉だ。

表題に使われている「神様」とは、この時の客が自分をそうなぞらえているのではという、これも国枝の言葉。


最後の【その人の背負ったもの】

密かに好意を抱いているバイト仲間の弓田とは、少しずつ距離が近づきつつあるのだったが。

しかし物語の方は、ここへ来て何だか不穏な展開をする。
久里子から見て国枝は、元々何だか判らない部分が多かったのが、どうも犯罪に関係しているようなのだ。
それは久里子の思い過ごしだけでなく、警察もその方向で調べ始めた。

果たして国枝は何者なのか?

うーん、モヤモヤを抱えたまま終わるのかと思ったが、犬の「トモ」がいい方向へ連れて行ってくれた。

 

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2020.09.24

国勢調査提出

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今年は、五年に一度の「国勢調査」の年だ。

いつもの紙での提出と違って、今回はネットからできる。
しかしログインするためには「ID」と「アクセスキー」が要りようで、それは紙の書類にしか記載されていない。
つまり、調査員からもらう必要があるのだ。

「国勢調査について」だったかのチラシが配布されていて、そういったことが書かれていた。

調査員とは直接話をしなくても、インターフォン越しに書類をポストインしてもらうだけで事足りる。
実際は色々説明したがっていたが、「ネットから回答します」ですんだ。

調査票を貰ったのが18日の夕方で、さっそく入力して、送信しておしまい!これが19日のこと。紙の場合提出は10月1日からだが、ネットだともう済んでしまった。

しかしかなり踏み込んだ質問もあり、そこまで必要なのかなと思う。

 

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2020.09.23

柚木麻子【ランチのアッコちゃん】

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著者:柚木麻子
価格:591円
カテゴリ:一般
発売日:2015/02/09
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
サイズ:15cm/199p
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-51756-9

「アッコ女史」こと黒川部長の1週間のランチと手作りのお弁当を交換することになった三智子。彼女のルーティンに従って外でランチをするうちに元気が湧いてきて…。表題作ほか全4編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】

澤田三智子は、派遣社員として小さな出版社で働いている。
その上司、部長の黒川敦子は、陰で「アッコちゃん」と呼ばれているが、厳しい女性だ。

表題作【ランチのアッコちゃん】では、失恋したばかりの三智子は、黒川に一週間ランチの交換をすることを命じられる。
黒川は三智子の作った弁当を食べ、その代わり三智子は黒川が行っていた場所でランチをするというもの。

黒川の示す行き先は曜日ごとに決まっており、
月曜日は、カレー店。
火曜日は、バンで提供されるスムージーのお店。
木曜日は外へ行かなくてもいいと命じられ、屋上へ行くとなんとそこには社長が来て上にぎりのランチだった。
金曜日は、下手をすると自分の分がなくなるようなはやっている店。
そのついでに古本屋からお取り置きの本をとってくるよう頼まれるが、そこの店員と意気投合し、あげくその本が縁で新しい企画を立てるまでになった。

と、順調にいった一週間だったが、次の【夜食のアッコちゃん】では、以前勤めていた出版社は倒産し、三智子は新しい職場に移動している。
そこは女子正社員と派遣社員の仲が悪く、優柔不断の三智子は両方から取り合いになっている始末。
そこへバンで「ポトフ」を売る商売を始めたアッコちゃんが現れ……。

今の職場がいやになった三智子は、アッコちゃんに弟子入りを申し出る。
そして、昼の勤めを続けながらの試験的な一週間が始まった。


このまま二人の話が続くのかと思ったら、違った。
次は【夜の大捜査先生】
派遣社員で、今も気の進まぬ合コンに参加している○。
話しかけてきた男性が同い年だと判り、つい出身校の話などする。
お嬢さま校だったこともあり、彼女は話題の中心に。
だが実は、彼女の高校時代は放課後にあったのだった。

そんなところへ、その居酒屋に出身校の制服を着た女子高生が現れ……。
と進んでいくのだが、正直先の二作に比べて面白くなかった。
ただ、12年前と変わらず生活指導をしている当時の担任との邂逅が、ちょっと救いになる。

と、そこへアッコと三智子のバンが通りかかり……、という展開。
美味しいポトフは、ここでもやさぐれた心を救う。

【ゆとりのビアガーデン】での、使えない社員というのも、奇抜なようでよく似た展開。
大手総合商社の社内ベンチャーの仕事ぶりとの対比が面白い。
残業当たり前で深夜に及ぶ勤務もあり、中には会社で徹夜をする社員までいる。

使いない社員玲実は、仕事をすれば失敗する。ものは壊す。お使いに出ればビルの守衛を話し込んでいる。
という始末で、たった三ヶ月で退職してしまった。いや、社長の豊田に追い込まれたのかもしれない。

そんな彼女が、一年ぶりにそのビルに現れた。ビルの守衛は実はオーナーで、亡くなったときに玲実に屋上を進呈したという。
屋上にビアガーデンを開店するというのが、玲実の戻ってきた理由だ。

はてさて、玲実の新商売はうまくいくのか?

今回は玲実がマラソンに出て転んだとき、そばを「東京ポトフ」のたすき(?)をつけた女性が走り去っていった。
これがアッコなのか三智子なのかは判らない。

続編があるらしいが、アッコと三智子メインの話なのだろうか?

 

 

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2020.09.22

3色のおはぎといえば…

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3色のおはぎといえば… 地域で異なる三つ目の味

暑い暑いと言ってる内に、お彼岸の中日になった。

子どもの頃家で作ってもらったおはぎは、あんこときなこの二種類だった。

♪おはぎがおよめにいくときにゃ
あんこときなこでおけしょして

という歌もある。

いつの頃からか、三つ目の味として「青のり」のものを見かけるようになった。

関東では、三つ目は「黒ごま」が主流らしい。

リンク先の記事によると、「関西は薄味を好み、粉モンにも使われている」「関東は天ぷらもごま油で揚げるように、濃厚な味を好む」とあった。

こんなところにも、地域差があるんだな。

また、関西では常識「緑のおはぎ」の不思議  という記事もあり、ここでも「濃い味を好む関東では油気のあるごま、薄味を好む関西では上品な香りがする青のりが支持された」と書かれていた。

 

画像は、「Nadia」さんのサイトからお借りしました。

 

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2020.09.21

川上未映子【マリーの愛の証明】

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著者:川上未映子
Kindle Single

初々しい少女たちが、愛と存在について言葉をかわす、思索的な短編。

短編集ではなく、これ一編のみ。

少女たちがとあるが、子どもを亡くした母親アンナも主要人物の一人のような。
また、このミア寮というのがどういうところなのか、アンナは保護司のような立場なのか?
登場人物たちの名前からして、日本ではないようだが。

舞台は彼女たちが「校外学習」で行った山と湖。

哲学的なと評している人もあったが、今ひとつよくわからなかった。

著者の作品は【乳と卵】を読んだだけだ。

 

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ラジオ【トーキングウィズ松尾堂】

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Twitterでフォローしている飯間浩明先生がゲスト出演された【トーキングウィズ松尾堂】を聞いた。色々面白いお話が伺えた。

日本語には「ン」で始まる言葉はないが、アフリカなどではあるということ。
「キリマ・ンジャロ」の例が出ていたが、そう言われれば聞いてことがあるような。

最近平板化している言葉のことも出ていた。
「ディレクター」「デザイナー」など。「ドライバー」は、運転手が「中高」だが、工具の方は「平板」。だが、運転手も「平板」になることが多いとか。
ただ、年代によって言い方も違うので、声を出して本を読む場合、そこまで考えるとなかなか難しい。

番組中に【でーれーガールズ】という本の名前が出てきたが、「でーれー」とは岡山弁で「どえらい」といった意味がとか。名古屋弁の「どえれー」と似ているねというところから、岡山弁と名古屋弁は似ているところがあるという話になった。

言葉は京都を中心にして拡がっていき、そのため出雲で東北弁に似たしゃべり方があるというのは、松本清張【砂の器】の重要なポイントだったが、岡山と名古屋というのも、そうした地理関係にあるのかもしれない。

フランスでも同じように言葉がパリから放射状に拡がっていくという話を聞いたとは、【砂の器】の時に書いた。市内の大学であった「市民講座」で伺った話。NHKで大河ドラマの時代考証をなさっていた先生のお話だった。お名前失念。

当日追記

先の先生のお名前は、「堀井令以知」先生だった。
「新村出記念財団」 の理事長をなさっていて、2013年に亡くなられたとのこと。

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2020.09.20

ドラマ【刑事コロンボ 第二十五話 権力の墓穴】

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冒頭、妻を殺した犯人だが、今回はなんというか「犯人オーラ?」がないと思ったら、実は主犯になる人物は別にいた。
その主犯と先の犯人とのボソボソ声での会話が、聞き取りにくかった。

だが、しだいに引き込まれる。
主犯は、なんとコロンボの上司。これは一筋縄ではいかないだろう。
その通り、なんとか近所を荒らしている泥棒の仕業にしたい上司と、その命令に従わざるを得ないコロンボの葛藤。

「(泥棒の)偽のプロフィール」を作るとは、コロンボ窮余の策とはいえ……。
だが、コロンボが上司の命令通りに動いた結果で、罠に陥る犯人。

最後の犯人突き止めが、爽快。

 

最初の事件でもみ消しを買って出たのも、自分の犯行に利用する気があったのだろう。
しかし、いきなり妻を殺したときは、仰天した。財産はほぼ妻のもので、慈善事業などに使っているのを苦々しく思っているのは示唆されていたが。自分の立場を考えなかったのかなぁ。

全体に夜の場面が多く、暗くてはっきりしないところがあったのが残念。

 

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2020.09.19

福田和代【バー・スクウェアの矜持】

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著者:福田和代
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2016/04/21
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-41713-0

バー「スクウェア」を中心に事態は動き、男たちが描いたシナリオは佳境へ…。【「TRC MARC」の商品解説】より

【バー・スクウェアの邂逅】の続編。

少しずつ、リュウの素性に迫っていく。
だが最初の方は、それとは無関係に進んでいく。

【マザー】

まさに「マザー」。母性愛に訴える。


【赤ちゃんに乾杯?】

これは、なんとなく番外編という感じ。
「スクエア」の二階にあるゲイバーのママには、子どもがいた。
その子とリュウや、バーのホステスたちの騒ぎを描く。

 

リュウの父親を殺したのは誰か?

【ブラッディ・ハート】・【デッドエンドストリート】と進み、最後は、思いがけない逆転劇で終わった。

結局、三田は蚊帳の外だったのか?立場を考えてくれたのだろう。

 

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2020.09.18

名探偵ポワロ(23)「プリマス行き急行列車」

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階下のテレビに外付けのHDDをつけたので、録画が出来るようになった。
このテレビは6月頃買い換えたのだが、自分ではほとんど見ない。

で、この「プリマス行き急行列車」だが、原作を読んだ覚えが無い。早川ミステリーのクリスティはほぼ読んでいるはずなのに……。
どうやら、短編のようだ。ま、1時間足らずで長編のドラマ化は難しいだろう。

いずれにせよ、何十年ぶり(?)の映像ポワロ。
この俳優さんのあたま(形の方)は、ポワロにピッタリだわ。

ホームズもそうだけど、演じている内にそれらしくなってくるのか?

それにしても、当時のイギリスの上流家庭の暮らしというのはスゴいなぁ。

物語の方は、犯人は予想通りだ。

派手で自分勝手な主人公を毎日見ていると、こんな気持ちにもなるのかな。

 

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2020.09.17

有栖川有栖【火村英生に捧げる犯罪】

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著者:有栖川有栖
価格:737円
カテゴリ:一般
発売日:2011/06/10
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-781601-8

「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」。臨床犯罪学者・火村への挑戦状が予告する犯罪とは―。 

近くの廃工場から人が出てくるのを見たという夫。
妻が見た時には、その人影は角を曲がるところで、「長い影」しか見えなかった。

という冒頭作【長い影】。

しかしこの「長い影」というのは、ずーーっと引きずってきた過去だった。

本書が書かれた頃はまだ殺人の時効は15年で、しかし日本の外へ出ていた期間はその分差し引かれる。
というのが、今回の犯罪の元になってしまった。

短編集だからもちろんみんな短いのだが、中に【鸚鵡返し】や【偽りのペア】といったごく短いものもある。

そして【鸚鵡返し】は、(多分)珍しくアリスではなく火村が語り手を務めている。
鸚鵡は人に言ったことを繰り返すから、誰かが言ったことを受けてそれを次のしゃべりの頭に持ってくることを「鸚鵡返し」という。
という、ちょっとシャレたのか?

【偽りのペア】では、火村の下宿のおばあちゃん登場。
火村はものにこだわらない性格のようだ。

3人写っている写真の一部を切り取って二人だけを見せるなんて芸当は、よほど上手に切り取らないと難しいだろう。

【あるいは四風荘殺人事件】は、とある高名な作家の遺筆の謎を火村が解くという趣向。

ストーリーそのものは奇抜すぎてイマイチだったが、ここで出てくる「コリオリの力」のことが面白かった。
「台風はなぜ日本を狙うのか」とも関連してくる。
地球は自転しているものね。普段はそんなこと感じない位の距離移動しかしていないということ。

表題作【火村英生に捧げる犯罪】は、おかしな出来事三つがやがてつながるという話。

大阪府警に来た脅迫状。
「火村に犯罪を捧げる」というふざけた内容だが、単にいたずらだと看過することも出来ない。ターゲットは子どもたちだから。
同じ頃、アリスは不審な電話を受ける。自分が書いたものが盗作だと息巻いている人がいるから、東京までその人に会いに来いという。
そして京都で起きた殺人事件。

アリスと火村が、脅迫状と謎の電話から感じ取った言葉遣いの共通性から、真相が暴かれる。

ごく短い短編(?)があると書いたが、それらは携帯サイトに書かれたものだった。

 

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2020.09.16

ドラマ【刑事コロンボ 第二十四話 白鳥の歌】

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本物のカントリー歌手が犯人という、なんとも大胆なドラマ。
でも、妻に頭を押さえられて身動き出来ない犯人は哀れ。

この妻の悪妻ぶりが、犯人への同情を呼ぶのでは?

何回か公演場面が出てくるが、これは実際の公演ではないかな?

また、彼の歌のバックコーラスは若い女性たちだが、その中に妻が入っているのに違和感がある。
可愛いお嬢さんたちの中に意地悪おばさんが混じっているのだから。彼女は、片時も彼を監視しなければ気が済まなかったか。
ま、犯人もおよそ品行方正とは言えないが。

あと、妻の葬儀に(いくら仲が悪かったとは言え)列席せずに馬鹿騒ぎをしているのも、変な感じ。
あげく、コーラスガールの一人を口説くなんて。

飛行機の整備士が楽しかったが、憧れの歌手の前でも平気で「お口モグモグ」というのは、国民性の違いかなぁ。
もうひとり、コーラスガールの衣装の布を用意するおばさんも、個性的で面白かった。
ここの布が盗まれていることが、大きなヒントになっている。

ヒントといえば、飛行機に乗るときに持っていたレンタカーのキーもそうだ。ここは大きい。
そのおかげで犯人の行動が予測でき……。
しかし、サンフランシスコ行きではギターのことに触れていない。
最初の事故(事件)の時にギターをかばって別便にするのもヒントになっているのに。

 

最後の、「ライトの中に浮かび上がる犯人」が際立つ。
この手法は、たしか【パイルDー3の壁】でも使われていた。

 

違和感のあったのが、ここでの重要なテーマの「礼拝堂」。『らいはいどう』と発音していたが、キリスト教では「れいはいどう」のはず。
こうした細かいことは、結構大事では?

 

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2020.09.15

伊坂幸太郎【アイネクライネナハトムジーク】

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著者:伊坂幸太郎
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2017/08/04
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42631-3

情けないけど、愛おしい。ごく普通の人たちが巻き起こす、跡...

 

短編集だが、すべてつながっている。
登場人物たちも、直接ではなくても少しずつつながりを持っている。
伊坂さんらしい、スマートなつながり方。

ただしその分、登場人物たちをしっかりと把握しておく必要がある。

冒頭作【アイネクライネ】では、先輩の失敗でデータが飛んでしまい、その後始末をすべく仙台駅前のペデストリアンデッキでアンケートをとっている「僕」。

著者の本には、よくこのデッキが登場する。そしてここは好きな場所の一つだ。

そして駅のテレビでは、ライトヘビー級のタイトルマッチ戦が放映されている。

「僕」が所用で訪れた学生時代の友人は、当時皆の憧れの的だった由美と結婚している。

このボクシングと、もう一つ「トイ・ストーリー」というアニメとその登場人物のストラップもこのあと頻繁に登場する。

【ライトヘビー】

ここでは、美容師が登場。
客の一人と懇意になり、あろうことか彼女の弟と電話で(のみ)話すようになる。
彼は時々、長期の出張でまったく連絡をくれないときもあるが。

その客の家を訪れて、【アイネクライネ】で描かれていた試合をテレビ観戦する。
実はその新チャンピオンというのが……、なのだが。

彼女が「自慢に思っている友人」というのは、先に出てきた由美だった。

 

【ドクメンタ】

ここでは、妻に出て行かれた藤間がメイン。
その妻からの「さようなら」というメールに動転して、データが消えるという失策をしたのだった。

この章は、非常に面白かった。
なぜなら、自分にそっくりの人たちがいることを再確認できたから。

10年前。藤間は免許更新時に赤ん坊を連れた女性と遭遇する。
聞くと、彼女も藤間と同じようにめんどくさがりらしい。
その頃の藤間は独身で、ただ彼女の話を聞いているだけだった。

ところが5年後(つまり5年前)、藤間はまたも教習所で彼女と再会する。
彼女の夫は彼女のずぼらさに愛想を尽かし、出て行ったという。
ちょうど藤間に子どもが出来、ずぼらさを妻に指摘されるようになった頃だ。

そしてこの年。藤間の妻は子どもを連れて出て行った。
自分がどうも彼の女性のあとを追ったような人生だと思った藤間は、免許更新をこれまでと同じギリギリのタイミングで出かける。
しかし彼女は来ておらず、終わってから買い物に来ていた彼女と再会する。
なんと彼女は、かなり物事をキチンと出来るようになっており、夫も戻ってきているとか。

藤間はそれが自分の未来だと確信し、次の日、銀行口座の記帳に出かけるところで終わっている。

と、一つずつ書いていくと色々あるのだが、伊坂さんらしく、現在と過去を行ったり来たりする。
最初の登場人物たちが結婚して、その子どもたちの話も出てくる。

以下、それぞれのタイトル。

【ルックスライク】

【メイクアップ】

【ナハトムジーク】

最初にも書いたが、スマートに収束する。
会話も、いかにも伊坂さん流だった。

 

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2020.09.14

「無料の特急」誕生50年 街も変えたJR西の新快速

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「無料の特急」誕生50年 街も変えたJR西の新快速

関西は「私鉄王国」と言われるが、やはり子どもの頃からなじんできた国鉄(??)の話はなつかしい。
大阪へ来てからと結婚してからもずっと私鉄沿線に住んでいたが、最終的には(人生の半分以上)JR沿線に落ち着いている。
ちょくちょく、私鉄組と言い合いもする。

新快速に乗る機会はあまり無いが、要するに東海道本線を走っている電車ということ。

うん十年前も今も、同じ線路(もちろん取り替えはあるにせよ)を走っているというのは感動的だ。

いつぞや書いた(っけ?)国府津から糸崎だって、一本の東海道線だし。
「鉄路はつづくよどこまでも」って、いいなぁ。

このところ、非常に鉄分不足なり。

 

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2020.09.13

伊集院静【僕のボールが君に届けば】

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著者:伊集院静
価格:667円
カテゴリ:一般
発売日:2007/03/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
サイズ:15cm/317p
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-275662-4
 

やわらかなボールを胸元へ。キャッチボールにこめられた思い

 

いずれも、野球に関する短編集。
結局読了後時間が経ってしまったので、それぞれの話についての細かいことは忘れてしまった。
 
 
表題作【ぼくのボールが君に届けば】は、少々ピンボケの感あり。
再婚相手の子どもは、決して新しい母親に懐いていないわけではない。
だが、彼女はなかなか苦労している。
 
この話と、子どもが拾ったガラスの人形の持ち主との逸話が、今ひとつしっくりこなかった。
 
【えくぼ】の吉乃は、こんな意地悪な女はまずいないだろうなと思えるようなキャラ。その彼女が、亡くなった孫が松井秀喜と面差しが似ているというだけで、応援するようになる。
 
松井秀喜については、著者の他作品でも見たような。著者自身、ファンなのかな?
 
【どんまい】
【ミ・ソ・ラ】
【風鈴】
 
天満天神付近を描いた一篇。
結局、風鈴については思いが届かなかった。
 
『青田は風鈴を手で握って、それをガラクタの中に放り投げ、夫婦の待つ店へ歩き出した。』
で終わっている。
 
お互い、今の生活があるのだから仕方ない。
 
 
【やわらかなボール】
 
【雨が好き】
 
【キャッチボールをしようか】
 
【麦を噛む】
 
いずれも、野球への思いと関わった人たちとの思いが交差して、「やわらかなボール」のやりとり(キャッチボール)に仕上がっている。
 
 

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2020.09.12

ドラマ【刑事コロンボ 第二十三話 愛情の計算】

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今回コロンボは、メモ帳の代わりに小型録音機を使用していた。ICレコーダーではなく、録音機(だと思う)。
ところが頭出しがうまくいかなかったり、わざわざ探し出して聞かせたりといった作業に時間がかかっている。

一方、「最先端」のロボットも登場するが、こちらも今から見るとねーというところか。

この犯人は、凡ミスをしすぎ。
家の中に被害者を担ぎ込むときも、靴で壁をこする。もっともこれが、犯人特定の一つのヒントになるが。
また、くるまのボンネットの傷も、お粗末ではないか。これを隠そうとして、余計なことをする必要に迫られてしまう。

息子は優秀な科学者というわりには、頼りなくもろそうだ。
彼に比べれば、天才少年の方がよほどしっかりしている。もっとも彼も、少年らしい一面をみせる。そしてそれが、犯行の助けになっているのだが。

この少年の役名が、なんと「スティーブン・スペルバーグ」。第三話【構想の死角】の監督が売り出し始めた「スティーブン・スピルバーグ」だから、相似性に気づいてないはずはないのだが。

 

父親の愛情を「計算」したコロンボのお芝居。そうくるだろうなという展開だった。

 

画像は、5年前。青森のベイブリッジから。

 

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2020.09.11

大崎梢他【アンソロジー 隠す】

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著者:大崎梢他
価格:847円
カテゴリ:一般
発売日:2019/11/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-791389-2

誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの−。大崎梢、加納朋子、近藤史恵など、実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちが、「隠す」をテーマに描いた短編小説集。【「TRC MARC」の商品解説】

何と11人もの女性作家(大崎梢 加納朋子 近藤史恵 篠田真由美 柴田よしき 永嶋恵美 新津きよみ 福田和代 松尾由美 松村比呂美 光原百合)の競演。

テーマは「隠す」で、もう一つ、各短編には共通した「もの」が出てくる。
これは途中で気づいていたが、解説で「読者への挑戦状」的に突きつけられた。
わざわざWEB上で回答を出すまでもないような気がするが。


柴田よしき【理由】

永嶋恵美【自宅警備員の憂鬱】

松尾由美【誰にも言えない】

福田和代【撫桜亭奇譚】

「桜の樹の下には死体が埋まっている」を地で行った話。

新津きよみ【骨になるまで】

光原百合【アリババと四十の死体 まだ折れていない剣】

光原百合さんは好きな作家さんだが、これは頂けなかった。

大崎梢【バースデイブーケをあなたに】

認知症気味でグループホームに暮らす老女のところに毎年届く「バースデイブーケ」。
その送り主「Mさん」とは、果たして誰か?
という謎よりも、このグループホームに興味が沸いた。

近藤史恵【甘い生活】

何でも他人のものを自分のものにしたがる「わたし」。
些細なもののうちはなんとかなったのだが、かなり上等のボールペンを盗んだあげく……。

ひとさまの生活を壊してはダメだ。

松村比呂美【水彩画】

母はなぜ娘を疎むのか?幼い頃から愛されていなかった娘は、母の突然の変わりように驚く。
それは母の、幼い頃に失った息子への贖罪だとわかるのだが、最後のたった一ヶ月で今度は娘への贖罪を償うことが出来たのか?

加納朋子【少年少女秘密基地】

少年二人と少女二人とは、たった一歳しか違わない。
幼い頃の彼らは、もっと年齢差があるような書き方だった。

結局、小屋に出入りしていた(と少年たちが思っていた)「悪者」は存在したのか?

篠田真由美【心残り】

建築探偵桜井シリーズを読んでいた頃から、ずいぶん経った。
今回はかなり陰気な話で、桜井シリーズのような面白みはなかった。

いずれもごく短いものなのでスイスイ読めたが、今ひとつの感あり。

以前読んだ「捨てる」がテーマの本と同じく「アミの会(仮)」のアンソロジーもの三冊目。

 

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2020.09.10

揖保乃糸

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この夏は、なぜか素麺をよく食べた。

生協で売られていた素麺(それしかなかった)の、一束がやけにたくさんの素麺。
これはまったく、おいしくなかった。

せっかくだから少量でもおいしいのを食したいと、「揖保乃糸」の黒帯をAmazonでポチっ。
さすが、美味しい。ツルツルと、のどごしがいい。
つゆは、創味食品のものを。

 

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2020.09.09

中山祐次郎【逃げるな新人外科医】

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著者:中山祐次郎
価格:781円
カテゴリ:一般
発売日:2020/04/03
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
サイズ:16cm/405p
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42969-7

 

新人外科医の隆治は、2人のがん患者の主治医となり、自分の「できなさ」が身に染みている。そんなある日、父が緊急入院したという電話が…。【「TRC MARC」の商品解説】

【泣くな研修医】の続編

この年の春からようやく医者となった雨野隆治。
二人の入院患者の主治医ともなり、多忙な毎日を過ごしている。

担当している患者は両極端とも言える家庭環境や症状で、隆治は日々学ぶことばかり。

一方手術も任されるようになり、徹夜明け勤務も度々だ。

そんな中、郷里鹿児島にいる父が入院したと母から知らされる。
緊急手術となり、隆治は気になりながらも日々の激務のため見舞いにも行けない。

そんな隆治も、いつぞや合コンでしりあったはるかと時々会っているうちに親しくなっていく。

最後は、ようやく休みをもらって父の元へ赴いたものの、着いたその日に父は亡くなる。

患者だけでなく身内の死も体験し、隆治は空港へ迎えに来てくれたはるかの肩で泣き続ける。

 

医療現場の話がかなり出てきて、読んでいて辛い場面も多かった。

先輩医師の佐藤が、やはりかっこいい。
研修医を預かるが、現代風の言葉遣いをする今風の「お嬢さま」の仕事の飲み込みと手順の早いことに驚かされたり。

 

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2020.09.08

ドラマ【刑事コロンボ 第二十二話 第三の終章】

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今回の犯人は、「第二話 構想の死角」の犯人と同じ俳優さん。
どちらも出版がらみというのが面白い。

二作品とも自分勝手な動機からの犯行だが、今回の方が、より悪辣だ。
最後の、プロットをパクる話が、ちょっとわかりにくかった。

本作は、あまり高評価を得ていない。

たしかに、冒頭の爆発シーンは長すぎたし、そんなに意味あることとは思えない。
ただしこの爆弾魔の声は、橋爪功さんだった。「ほーっ!」

 

画像は、8年前。「霧島」の車窓から見た霧島山

 

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2020.09.07

中山祐次郎【泣くな研修医】

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著者:中山祐次郎
価格:693円
カテゴリ:一般
発売日:2020/04/03
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42968-0

新米医師の毎日は、何もできず何もわからず、先輩医師や上司からただ怒られるばかり。だが患者さんは、待ったなしで押し寄せ…。新米医師の葛藤と成長を、現役外科医が圧倒的リアリティで描く医療ドラマ。【「TRC MARC」の商品解説】

雨野隆治は、幼い頃兄を亡くし、医者を志す。
故郷鹿児島を出て、東京で研修医になったばかりだ。

まるで人格のないような扱いをされることもあるが、その試練を経て成長していくしかない。

 

著者は、自らも外科医である。隆治の母校は、著者の出身大学でもある。

福島で原発事故後も開業していた高野病院の院長が急逝。
著者は、そこの院長をしていらっしゃった。現在は、東北病院の外科医長。

 

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2020.09.06

内閣府防災LINE

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内閣府防災のLINEを入れてみた。

涼さん、はじめまして(ポッ)!
友だち追加ありがとうございます。内閣府防災です。

このトークからの通知を受け取らない場合は、画面右上のメニューから通知をオフにしてください。

「ポッ」って何なのよと思った。

 

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2020.09.05

福田和代【バー・スクウェアの邂逅】

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著者:福田和代
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2016/03/20
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-41712-3

大阪府警薬物対策課の刑事・三田がバー「スクウェア」で出会った、清潔そうなバーテンダーの青年。この男と長いつき合いになるとは、三田は想像していなかった…。【「TRC MARC」の商品解説】

 

大阪府警薬物対策課の刑事三田は、結婚していないのに独身寮を出て暮らしている。
その三田と組まされているのが、格闘技好きの新米大迫。いつも書類作成で班長や三田に叱られている。


二人は勝柴班に所属しており、他に丁寧な物腰の中年刑事、中本。
他の班だが三田の同期で情報通の桜井。
彼はしょっちゅう、大迫を「いじり」にやってくる。

三田は非番の前の夜は痛飲することにしている。
特に決めた店はないはずだったが、お初天神の奥の方にある「デッドストリート」で見つけた「スクウェア」というバーに行くことが多い。

第一話では、その店のオーナーリュウと常連で元ボクシング世界チャンピオン宇田島との「邂逅」があった。
ここではアリサという歌手と三田との出会いもあった。

と、およそ刑事らしからぬ刑事が薬物捜査を巡っての連作短編集。

 

そんな危なっかしい話ばかりかと思いきや、二篇ほどは大迫視点で描かれている。もっともこれらも危ない話であることに変わりないのだが。

また、班員全員で勝芝の娘の誕生日を祝う話など、多少微笑ましい挿話も混じっている。

しかし全体に暗い世界とのせめぎ合いもあり、リュウや宇田島も無関係ではない。
「スクウェア」の二階にあるゲイバーの新人「ホステス」の事件も、そんな物騒な話だ。
一応の決着を見た本書だが、続きがある。

舞台が大阪で、知っている場所も多く、彼らの行動をなぞりやすい。
移動するのに地下鉄も多く登場し、府警のある場所は市電の沿線でもあった。

 

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2020.09.04

御朱印の次は「御城印」?

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御朱印の次は「御城印」? 城が独自発行、整備に活用も

最初に「お城印」をつくった郡上八幡城へは、一度だけのぼった。
途中、かなり急な階段があった。今はもうのぼれないだろうな。

ここへ行ったのは、ブログ友達のへいポーさんとだ。
郡上八幡駅で待ち合わせたのだが、お互い初対面。
へいぽーさんが、同じくアリスさんから涼の写真を手に入れてくださっていて、一発で見つけてくださった。

そのあと「吉田屋」に泊まったり、そこでウナギを食べたり。
次の日は「郡上踊り記念館」へも行った。

子どもの頃から毎年訪れていた郡上だが、八幡町(当時)にはあまり行ったことがなかった。

これより前、2003年には、母を実家へ連れて行きがてら息子二人で泊まっている。

 

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2020.09.03

米澤穂信【満願】

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著者:米澤穂信
価格:781円
カテゴリ:一般
発売日:2017/07/28
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
サイズ:16cm/422p
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-128784-3

人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは−。【「TRC MARC」の商品解説】

 

著者の本はホノボノ系で好きなのだが、本書はちょっと違った。

【夜警】

銃を撃ちたいからという理由で、警察官になった男。
交番勤務の先輩たちは危ぶみながらも、少しずつ育てていこうとしている。

三人一組の勤務で、その新米が(パトロールの)留守番に当たった日があった。
そのときの彼の行動が、後に悲劇を招く。

彼の暴走は、先輩刑事の命運まで左右してしまった。

非常に計画性のある「殺人」だった。


【死人宿】

パワハラに遭っていると訴える恋人に、通り一遍のアドバイスしかしなかった語り手。
彼女は突然、姿を消す。その彼女の行方が判って、彼は訪ねていく。

そこは山奥の旅館で、「死人宿」と呼ばれているらしい。
何でも自殺の名所として知られているとか。

語り手が泊まった日も、偶然露天風呂に落ちていた遺書を彼女が見つけ……。

何だか彼女に試されている感もあった体験だが、このあとどうなるのか?

 

【柘榴】

これは非常に後味が悪かった。

母親と長女の語りで進むが、この長女夕子というのがくせ者で、結局は自分のしたい放題をしたのではなかったか。

当てにならない父親に頼らず、一人で育ててくれた母親が哀れだ。

また、妹月子への仕打ちもひどすぎる。


【万灯】

これまた、読んでいて気持ちのいい話ではなかった。

この二篇については、レビューを観てみても好意的なものはなかった。
これらのせいで、星を少なくした方もいた。


【関守】

まさに「関守」のドライブインの女主。
心底怖くなる話だった。


【満願】

学生時代の下宿先のおかみさんが、殺人を犯した。

弁護士になっていた「わたし」は、彼女を弁護する。

 

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2020.09.02

秋田稲美【ZOOMはじめました】

Zoom

著者:秋田稲美
価格:1,650円
カテゴリ:一般
発売日:2020/06/05
出版社: WAVE出版
利用対象:一般
ISBN:978-4-86621-301-9

好きな時に好きな場所でつながる・教える・稼げちゃう! サロン、習いごと、物販といった22のZOOMの活用法や、ZOOMで仕事をしている7人の事例を紹介。ZOOMワークショップの実施フローと使えるツールも収録。【「TRC MARC」の商品解説】

「商品解説」にあるとおり、事例集のような本。

一般的な使い方(会議)で言えば、もうすでに使い倒している。
そうした味気ない使い方でも、「バーチャル背景」を変えたりと、自分なりに楽しんではいるのだが。

何が一番ネックかというと、新しいことに挑戦することを躊躇する人たちへの説得。
単なる「やってみよう」なら放置できても、仕事上必要な時は説得する必要もある。

「別に今更」感のある人への説得が一番やっかいでもある。

一度してみると、意外と楽しいのに……。

 

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2020.09.01

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3960
ナイス数:1154

マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ (創元推理文庫)マカロンはマカロン ビストロ・パ・マル・シリーズ (創元推理文庫)感想
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読了日:08月30日 著者:近藤 史恵
ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)感想
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読了日:08月27日 著者:高野秀行
神様のケーキを頬ばるまで (光文社文庫)神様のケーキを頬ばるまで (光文社文庫)感想
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読了日:08月26日 著者:彩瀬 まる
警官の貌 (双葉文庫)警官の貌 (双葉文庫)感想
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読了日:08月24日 著者:今野 敏,誉田 哲也,福田 和代,貫井 徳郎
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を【電子版イラスト特典付】 (宝島社文庫)珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を【電子版イラスト特典付】 (宝島社文庫)感想
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読了日:08月23日 著者:岡崎琢磨
棲月―隠蔽捜査7― (新潮文庫)棲月―隠蔽捜査7― (新潮文庫)感想
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読了日:08月20日 著者:今野 敏
ヴァン・ショーをあなたに 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫)ヴァン・ショーをあなたに 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-b22c65.html
読了日:08月18日 著者:近藤 史恵
サクリファイス(新潮文庫)サクリファイス(新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-1a639f.html
読了日:08月17日 著者:近藤史恵
タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-9ac94b.html
読了日:08月15日 著者:近藤 史恵
運命の八分休符 (創元推理文庫)運命の八分休符 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-efae64.html
読了日:08月13日 著者:連城 三紀彦
赤い博物館 (文春文庫)赤い博物館 (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-635d24.html
読了日:08月12日 著者:大山 誠一郎
新書)十津川警部 呉・広島ダブル殺人事件 (フタバノベルズ)新書)十津川警部 呉・広島ダブル殺人事件 (フタバノベルズ)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-67331b.html
読了日:08月12日 著者:西村 京太郎
三州吉良殺人事件 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)三州吉良殺人事件 「浅見光彦」シリーズ (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-0a34f7.html
読了日:08月06日 著者:内田 康夫
アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-035942.html
読了日:08月04日 著者:大山誠一郎
どうかこの声が、あなたに届きますように (文春文庫)どうかこの声が、あなたに届きますように (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/08/post-ce611b.html
読了日:08月03日 著者:浅葉 なつ

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