米澤穂信【満願】
著者:米澤穂信
価格:781円
カテゴリ:一般
発売日:2017/07/28
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
サイズ:16cm/422p
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-128784-3
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは−。【「TRC MARC」の商品解説】
著者の本はホノボノ系で好きなのだが、本書はちょっと違った。
【夜警】
銃を撃ちたいからという理由で、警察官になった男。
交番勤務の先輩たちは危ぶみながらも、少しずつ育てていこうとしている。
三人一組の勤務で、その新米が(パトロールの)留守番に当たった日があった。
そのときの彼の行動が、後に悲劇を招く。
彼の暴走は、先輩刑事の命運まで左右してしまった。
非常に計画性のある「殺人」だった。
【死人宿】
パワハラに遭っていると訴える恋人に、通り一遍のアドバイスしかしなかった語り手。
彼女は突然、姿を消す。その彼女の行方が判って、彼は訪ねていく。
そこは山奥の旅館で、「死人宿」と呼ばれているらしい。
何でも自殺の名所として知られているとか。
語り手が泊まった日も、偶然露天風呂に落ちていた遺書を彼女が見つけ……。
何だか彼女に試されている感もあった体験だが、このあとどうなるのか?
【柘榴】
これは非常に後味が悪かった。
母親と長女の語りで進むが、この長女夕子というのがくせ者で、結局は自分のしたい放題をしたのではなかったか。
当てにならない父親に頼らず、一人で育ててくれた母親が哀れだ。
また、妹月子への仕打ちもひどすぎる。
【万灯】
これまた、読んでいて気持ちのいい話ではなかった。
この二篇については、レビューを観てみても好意的なものはなかった。
これらのせいで、星を少なくした方もいた。
【関守】
まさに「関守」のドライブインの女主。
心底怖くなる話だった。
【満願】
学生時代の下宿先のおかみさんが、殺人を犯した。
弁護士になっていた「わたし」は、彼女を弁護する。
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