福田和代【バー・スクウェアの邂逅】
著者:福田和代
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2016/03/20
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-41712-3
大阪府警薬物対策課の刑事・三田がバー「スクウェア」で出会った、清潔そうなバーテンダーの青年。この男と長いつき合いになるとは、三田は想像していなかった…。【「TRC MARC」の商品解説】
大阪府警薬物対策課の刑事三田は、結婚していないのに独身寮を出て暮らしている。
その三田と組まされているのが、格闘技好きの新米大迫。いつも書類作成で班長や三田に叱られている。
二人は勝柴班に所属しており、他に丁寧な物腰の中年刑事、中本。
他の班だが三田の同期で情報通の桜井。
彼はしょっちゅう、大迫を「いじり」にやってくる。
三田は非番の前の夜は痛飲することにしている。
特に決めた店はないはずだったが、お初天神の奥の方にある「デッドストリート」で見つけた「スクウェア」というバーに行くことが多い。
第一話では、その店のオーナーリュウと常連で元ボクシング世界チャンピオン宇田島との「邂逅」があった。
ここではアリサという歌手と三田との出会いもあった。
と、およそ刑事らしからぬ刑事が薬物捜査を巡っての連作短編集。
そんな危なっかしい話ばかりかと思いきや、二篇ほどは大迫視点で描かれている。もっともこれらも危ない話であることに変わりないのだが。
また、班員全員で勝芝の娘の誕生日を祝う話など、多少微笑ましい挿話も混じっている。
しかし全体に暗い世界とのせめぎ合いもあり、リュウや宇田島も無関係ではない。
「スクウェア」の二階にあるゲイバーの新人「ホステス」の事件も、そんな物騒な話だ。
一応の決着を見た本書だが、続きがある。
舞台が大阪で、知っている場所も多く、彼らの行動をなぞりやすい。
移動するのに地下鉄も多く登場し、府警のある場所は市電の沿線でもあった。
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