大崎梢他【アンソロジー 隠す】
著者:大崎梢他
価格:847円
カテゴリ:一般
発売日:2019/11/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-791389-2
誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの−。大崎梢、加納朋子、近藤史恵など、実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちが、「隠す」をテーマに描いた短編小説集。【「TRC MARC」の商品解説】
何と11人もの女性作家(大崎梢 加納朋子 近藤史恵 篠田真由美 柴田よしき 永嶋恵美 新津きよみ 福田和代 松尾由美 松村比呂美 光原百合)の競演。
テーマは「隠す」で、もう一つ、各短編には共通した「もの」が出てくる。
これは途中で気づいていたが、解説で「読者への挑戦状」的に突きつけられた。
わざわざWEB上で回答を出すまでもないような気がするが。
柴田よしき【理由】
永嶋恵美【自宅警備員の憂鬱】
松尾由美【誰にも言えない】
福田和代【撫桜亭奇譚】
「桜の樹の下には死体が埋まっている」を地で行った話。
新津きよみ【骨になるまで】
光原百合【アリババと四十の死体 まだ折れていない剣】
光原百合さんは好きな作家さんだが、これは頂けなかった。
大崎梢【バースデイブーケをあなたに】
認知症気味でグループホームに暮らす老女のところに毎年届く「バースデイブーケ」。
その送り主「Mさん」とは、果たして誰か?
という謎よりも、このグループホームに興味が沸いた。
近藤史恵【甘い生活】
何でも他人のものを自分のものにしたがる「わたし」。
些細なもののうちはなんとかなったのだが、かなり上等のボールペンを盗んだあげく……。
ひとさまの生活を壊してはダメだ。
松村比呂美【水彩画】
母はなぜ娘を疎むのか?幼い頃から愛されていなかった娘は、母の突然の変わりように驚く。
それは母の、幼い頃に失った息子への贖罪だとわかるのだが、最後のたった一ヶ月で今度は娘への贖罪を償うことが出来たのか?
加納朋子【少年少女秘密基地】
少年二人と少女二人とは、たった一歳しか違わない。
幼い頃の彼らは、もっと年齢差があるような書き方だった。
結局、小屋に出入りしていた(と少年たちが思っていた)「悪者」は存在したのか?
篠田真由美【心残り】
建築探偵桜井シリーズを読んでいた頃から、ずいぶん経った。
今回はかなり陰気な話で、桜井シリーズのような面白みはなかった。
いずれもごく短いものなのでスイスイ読めたが、今ひとつの感あり。
以前読んだ「捨てる」がテーマの本と同じく「アミの会(仮)」のアンソロジーもの三冊目。
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