山本巧次【早房希美の謎解き急行】
著者:山本巧次
価格:704円
カテゴリ:一般
販売開始日:2020/09/09
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
ISBN:978-4-575-52399-7
大手私鉄・武州急行電鉄に勤める早房希美のもとに、社内の各部署からトラブルが持ち込まれる。踏切の障害物検知装置が謎の誤作動を繰り返したり、駅員に階段で突き落とされたと乗客から...
「武州急行電鉄」というのは、架空の鉄道会社のようだ。冒頭に路線図や停車駅案内まであるから、本物かと思った。
1924年(大正13年)から1938年まで実際に存在した「武州鉄道」というのとは、少し違うようだ。
関東の私鉄はややこしい。
その「武州急行鉄道」に務める早房希美の祖父は、埼玉県警で名をはせた名刑事だった。
一種の「退職刑事」ものだが、孫娘は刑事ではなく鉄道会社の社員だ。
「ケース1」から「ケース5」までという案内。
ケース1【遮断機のくぐり抜けは大変危険です】
ケース2【雨の日は御足元に充分ご注意ください】
ケース3【危険物の持ち込みはお断りしております】
ケース4【痴漢は犯罪です】
ケース5の【特急のご乗車には特急券が必要です】がよかった。
希美はたまに、有料の特急に乗る。
短い距離だが、確実に座っていけるからだ。
だがその車両の売られていない座席に座る女性を確認。
二日続けて乗ってきた女性は、誰かを探しているようだった。
一方、もう一つの特急に乗った日、今度は隣の席に来るべき人を待っている男性を見かける。
と、この二人の物語をメインに、特急専門のスリの話など盛り込んである。
普段はいけ好かない野郎だと思っていた布施の思いがけない洒落た行動も、この話に花を添えた。
今回は、喜一郎のアドバイスは必要なかった。
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