近藤史恵【ふたつめの月】
著者:近藤史恵
価格:639円
カテゴリ:一般
発売日:2010/05/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-771604-2
契約社員からようやく本採用になった矢先、解顧をいいわたされた久里子。心から喜んでくれた両親の手前、出社するふりをしては日中ぶらぶらと暇をつぶす毎日を送っていた。ある日、偶然すれ違った元同僚の言葉に不審な点が—もしかして私、自分から辞めたことになってる?近藤史恵版『隅の老人』第二弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
三つの中編。【賢者はベンチで思索する】(20.09.25)の続編。
国枝と名のっていた老人は、ここでは本名の赤坂として登場。
しかし前回ほど出番はない。
【第一話 たったひとつの後悔】
解雇された久里子は、思いがけず会社では勝手に辞めたことになっていた。一緒に何人か解雇されたと聞かされていたのに、そういう事実もなかった。
憧れの先輩のようになりたいと、本人に話してしまったのが、結局「たったひとつ後悔すること」になってしまった。
憧れられるということは、それらしい姿を見せねばならない。それが出来ないと解ったとき、つまり無様な自分をさらしたくなくて、相手を自分から遠ざけるしかなかった。
尊敬の気持ちは、時として相手をしばってしまう。
【第二話 パレードがやってくる】に出てくる明日香という高校生は、やはりどうしても好きになれない。
久里子はよく我慢してつきあってやった。
ま、邪魔をされても、弓田との距離が縮まったのはよかったか。
第三話は、表題作【ふたつめの月】。
これ以前に、赤坂が歩道橋の街灯から電球を外す場面がある。
それが伏線になって、今度は公園の街灯が老女を救う。
今回も、最後の一篇で赤坂が行方不明になった。今度は郵便で、無事が判ったが。
表紙絵の二匹の犬、アンとトモがかわいい。
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