滝田務雄【田舎の刑事の趣味とお仕事】
著者:滝田務雄
価格:704円
カテゴリ:一般
発行年月:2009.9
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-49901-3
彼の名は黒川鈴木。姓名どちらも姓に見えるという点で、まあ珍名の部類に入る。職業は警察官。階級は巡査部長。既婚で子供はない。【「BOOK」データベースの商品解説】
脱力系ミステリとのこと。シリーズものらしい。
登場人物の名前がふるっている。巡査部長の黒川に白石・赤木という部下。基本色が揃っている。
その上、黒川の名前は鈴木ときた。
表題作から始まる短編集だが、その表題は「趣味」が先で「お仕事」が添え物だ。
その趣味は、コンピューターゲームで、彼は「愛らしい女の子」というキャラを演じている。
何だか軽すぎ・ノリすぎ感ありで今ひとつ面白くないのだが、事件の解決では思わぬ鍵があったりで、結局全部読んでしまった。
だが黒川の「論理的思考」というのも、なかなか捨てがたい。
表題作【田舎の刑事の趣味とお仕事】。
ある日、黒川のしているオンラインゲームに、白石が参加してきた。しかも本名で。
おまけに、『能なしの上司が云々……』という話題を振って、偶然を装った黒川から手ひどい仕打ちに遭う。
しかも現実生活でも、嫌がらせのような命令を受ける。
現実の事件の方は、ワサビの盗難。
山の中のワサビ田が荒らされたのだが、そこまでの移動手段と戦利品持ち帰りに目をつけた黒川はこれを解決。
その結果を、白石は得意げにゲーム上で自慢する。
【田舎の刑事の魚と拳銃】
山中の池近くの森に、弾丸跡が発見されて……。
白石とは違って真面目な部下赤木の協力の下、これまた黒川は見事な推理で真相を見抜く。
魚の大きさと箱の大きさの単位。カーテン越しで姿は見えないが声は聞こえるというのが、大きなヒントになっている。
【田舎の刑事の危機とリベンジ】
田舎のコンビニ、ゆったりとした敷地ときれいな建物。
何もない近在の住民には喜ばれているが、防犯上問題ありで、警備会社を頼みに万全を期していたはずだったが……。
案の定、強盗が。
あろうことか黒川自身が買い物に来て巻き込まれてしまう。
【田舎の刑事の赤と黒】
「赤と黒」というのは「赤木」と「黒川」ではなく、「ルビー」と「カラス」だった。
結局、あまりいい終わり方をしなかった。不可抗力ではあったが。
【田舎の刑事のウサギと猛毒】
ここでは、井馬南司(いまなんじ)とか戸景美奈(とけいみな)とか、ふざけた名前が多い。
全体に妻との会話も奇をてらっているというか、あり得ないだろう設定。
彼女の態度は、あまり愉快ではなかった。
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