瀬尾まいこ【僕らのごはんは明日で待ってる】
著者:瀬尾まいこ
価格:550円
カテゴリ:一般
発売日:2016/02/24
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42450-0
体育祭をきっかけに付き合うことになった葉山と上村。大学に行っても淡々とした関係のふたりだが、互いが互いを必要としていた。【「TRC MARC」の商品解説】
兄を亡くした僕(葉山亮太)と、二親を知らない上村との、起承転結がはっきりした4つの物語。
【米袋が明日を開く】
「米袋」とは、その中に二人で入って跳びながらゴールを目指す競技。
兄を失ってから、それでも中学時代は頑張っていた。頑張りすぎた故か、高校に入ってからはほぼ一日中ぼーっと過ごすことが多い。
その彼の態度を「たそがれている」と言った上村とコンビを組んでの、運動会。
まったく気乗りしなかった競技だが、少しだけ練習している内にコツをつかみ、本番では随分進歩した。
上村との間も、それくらい少ない距離だが縮まった。
【水をためれば何かがわかる】
大学生になった二人は、度々会っている。
そのうち上村に両親がないことを初めて知った葉山は、自分探しにタイへ行く。
そこで出会った大阪のおばちゃんグループが、笑える。
そして、上村から中学時代から好きだったと告白される。
【僕が破れるいくつかのこと】
ここでは逆に、上村から突然「別れよう」と言われてしまう。
何事も流される葉山だなぁと、なんとなく感心する。
上村と別れて比較的すぐに、次の恋人えみりが見つかる。
しかし葉山は、彼女との会話も、心の中で上村に報告している。
そして墓地で上村に会ってからは、葉山の気持ちは一気に正直になる。
考えるまでもなく、エミリには随分ひどいことをしたものだ。
最後が【僕らのごはんは明日で待ってる】
ここで初めて、「上村」ではなく上村の名前「小春」と表記されるようになる。
二人は結婚し、なんと空想上では三人の子持ちだ。
しかし、試練が二人を訪れる。
小春の考え方や行動が、潔くて気持ちいい。
他方、亮太は慎重というか、自ら「たそがれていた」時期のせいで、周りから暗いと思われていた。
それが、二人一緒だと、彼も本領を発揮できる(?)。
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