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2020.11.09

八木沢里志【純喫茶トルンカ】

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著者:八木沢里志
価格:682円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2013/10/26
出版社: 徳間書店
レーベル: 徳間文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-19-893766-9

東京の下町にひっそり佇むレトロな喫茶店「純喫茶トルンカ」。ある日、高校生の看板娘・立花雫とバイトの修一が店に出ていると、女性客が来店。突然「あなたと前世で恋人同士だったんです」と修一に語りだし…。【「TRC MARC」の商品解説】

「ほんわかする」とか「やわらかな世界観」といった肯定的な批評に混じって、「キモい、変な文章」というレビューがあった。
この人の気持ち、判る気がする。

【森崎書店の日々】も、続編はどうかという気がしたし……。

高校生雫は自称「看板娘」だが、単にお行儀の悪い高校生でしかない。
突然現れた千夏という女性も、今ひとつ好きになれない。というか、気持ち悪い。

しかしだんだん慣れてきたというか、こういう展開もありかもという風になっていった。

その【日曜のバレリーナ】は、修一と千夏との距離が少しずつ縮まっていく。雫のお節介もあるが、千夏と修平との意外な昔話で納得できるというか。

「日曜のバレリーナ」が完成するのは、時間の問題だ。

【再開の街】は、バブルに踊らされて恋人を捨てて街を去った男が、その恋人が結婚後に産んだ娘に会いに戻ってくる話。
絢子は、【日曜のバレリーナ】でも登場していた。

最後は少々お涙ちょうだいのオチになっていて、ここで感動する人は作者の思うつぼに入ったと意地悪な見方をしてみる。

ま、しかし、『再開とは、人生における一番身近な奇跡である』という絢子オリジナルの「格言」は、それはそれで面白い。

 

【恋の雫】では、その小生意気な雫の語り。
名前の由来から、この家のことまで。なぜ、母親は一人海外にいるのか。なぜ、雫が家事をしているのか。

そのあたりの、立花家の事情も語られる。

雫の姉の元恋人だった荻野登場のあたりから、おかしな方向へとシフトしていく。
ハラハラしながら雫を見守っている、幼なじみの浩太。

ここでは、雫は背伸びしながらも真っ当な高校生なのに、思い出の中での菫は少々気持ち悪い。

【雫の恋】ではなく、【恋の雫】なのがよかったかな。

 

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