アガサ・クリスティ【黄色いアイリス】
著者:アガサ・クリスティ
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2004/06/01
出版社: 早川書房
レーベル: クリスティー文庫
利用対象:一般
ISBN:4-15-130059-7
表題作をはじめ、ポアロもの五篇、マープルもの一篇、パーカー・パインもの二篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集
【レガッタ・デーの事件】
パーカー・パインもの。こちらも話を聞いただけで判断する探偵。
もっとも犯人たちが結構有名な(?)一味だったということもあるが。
【バグダッドの大櫃の謎】
これは、【クリスマス・プディングの冒険】にある「スペイン櫃の秘密」と同じ内容。「スペイン櫃の秘密」を、簡単にしたような話。どちらが先だったのかな?
【あなたの庭はどんな庭?】
ポワロは、キチンとしていないことは嫌いだ。
シンメトリーになっていない庭を見て違和感を覚えたポワロは、そこに事件解決の糸口を見いだす。
【ポリェンサ海岸の事件】
パーカー・パインも、ポワロに劣らず自意識過剰だ。
休養に訪れた島で、同国人の何か憂鬱そうなそぶりを見て、ホテルの記帳をさりげなく変えてしまう。(高名な)パーカー・パインだと知られないようにと慮ってのことだ。
ただポワロと違うのは、イギリス人であるからして、謙遜というモノを知っている点だろう。
そしてポリェンサ海岸で起きた「事件」を彼は解決するのだが。途中、どうもこれは芝居だなという展開があって、それはそれで楽しめた。
そして、表題作でありドラマの原作の
【黄色いアイリス】
黄色いアイリスは、花ではなかった。
ドラマがどういう作りになっているか、期待できる。
【ミス・マープルの思い出話】
相手はいるが、ミス・マープルの一人語り。
制服というのは、隠れ蓑にもってこいの衣装だ。
その上不美人であれば、目撃者の注目を浴びないというミス・マープルの指摘が面白い。
彼女が関係者(女性)の容姿について質問したのには、そういう意図があったのか。
【仄暗い鏡の中に】
これが、紹介文にある「幻想小説」なのかなぁ。
それでも、最後に自制心が働いてよかった。
【船上の怪事件】
定番通りというか。
手品師であると強調することが「腹話術師」だと知られないというのは、一般人に通じるのだろうか?
現に自分も、これは腹話術だなと思ったから。
【二度目のゴング】
少々精神に不安のある富豪が、自殺した。
その前に、経理のことで、彼はポワロを招いていた。
さて、真相は?
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