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2020.12.07

原尞【それまでの明日】

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著者:原尞
価格:990円
カテゴリ:一般
発売日:2020/09/03
出版社: 早川書房
レーベル: ハヤカワ文庫 JA
利用対象:一般
ISBN:978-4-15-031446-0

探偵事務所の沢崎のもとに、消費者金融で支店長を務める望月が訪れた。融資が内定している赤坂の料亭の女将の身辺調査を依頼されるが、女将はすでに亡くなっていた。【「TRC MARC」の商品解説】

やはり、原尞はうまい。グイグイ引き込まれる。ハードボイルド嫌いの自分が、唯一読む作家。

おなじみ錦織警部(今は新宿署の課長)とのやりとりには、いつも笑わせられる。
錦織の部下田島が真面目に対応しているのも、対比の効果があって面白い。

また本書には、何人か非常に感じのいい若者が出てくる。

学生の就活を応援する会社を起業した、海津。
興信所の所員、萩原。
ルポライターの佐伯も、感じがいい。

依頼人との連絡を取るために立ち寄った金融業者で出会ってしまった、強盗事件。

それはそこだけで収まらず、警察だけでなくその筋とやらからも追われることになる。
その「清和会」の幹部、橋爪との因縁も、いつものことだ。また現れたか、という感じ。
しかし、そこそこ話のわかる人物ではある。

話は二転三転、結局はじめて沢崎の事務所を訪れたジェントルマンとの再会はならなかった。

携帯を持たない沢崎が利用する「電話サービス」のオペレーターとのデート(?)は、結局果たせなかったのでは。

前作から、14年。沢崎はじめ関係者の年齢は当時のままのようだ。

 

最後は、あの大震災で終わっている。
直前、仙台から掛けてきた海津の電話が切れ切れになっていたが、彼は無事だったのか?

続編【それからの昨日】(仮題)が待たれる。並行して執筆中だと仰るから、こんなに待たされることはないと信じたい!

 

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