
著者:澤村御影
価格:682円
カテゴリ:一般
発売日:2020/11/21
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-109265-1
大学2年の夏。尚哉は自らの耳と「死者の祭」の真実を探るべく、高槻・佐々倉と長野の旧小山村へ。地元でも“死者が歩く”と噂される村に着き、調査を開始する。【「TRC MARC」の商品解説】より
久しぶりの高槻先生、相変わらずのキャラだ。
第一章の【百物語】では、実際に夜中に学生たちと「百物語」をする。
その中で語られた「本当の話」
幽霊にまつわる話についての、高槻の話
もともとは、何よりも恐ろしい事態である『死』について説明するためのもの。→宗教
もう一つ――死に対する恐れと同じくらい強い死者への思慕の念を、幽霊話によって処理するため。
命が失われても、残るものはある。
そしてメインの第二章「死者の祭」で、尚哉は高槻と旅にでる。あの祭りの時期に。高槻の幼なじみである刑事も一緒だ。
尚哉が子どもの頃過ごした場所は、過疎化がどんどん進んでいた。
もはや祖父母の家もなくなってしまっている。
祠のある山へ登った三人は、向こう側の村へ下りてみて、祭りを見学する。
日が暮れる頃また山へ登ってもとの村へ戻ろうとするのだが、そこには「死者の祭り」が待ち構えていた。
不思議なのは、自分を可愛がってくれていた祖父母までもが、恐ろしい敵になってしまっていること。
あの世へ逝ってしまうと、それはやむを得ないことなのだろうか?
一度この祭りを観て現世に戻ったこどもは、二度目には決して戻れない。
黄泉の国に引っ張って行かれる尚哉は、かろうじて高槻の声に救われる。
だが高槻ともどもその幼いときの記憶が戻り、今度は寿命の半分をよこせと迫られる。
この時出てきた女性が、どうにも思い出せない。
あの人魚の話に出てきた女性だったのか?それなら唯一、本物の「異界の人」なのだが。
なんとも不思議な体験をして這々の体で逃げ出した一行だったが、高槻のこの旅行中の記憶はバッサリと無くなっていた。
せっかくの冒険が無に帰したのだが、あまり突っ込まない方がいいという教訓か。
でも高槻の探究心は止みそうもないし、このあとシリーズはまだ続くのかな?
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