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2021.05.31

幸田露伴【雁坂越】

Rohan

著者:幸田露伴
価格:968円(幸田露伴 1867−1947 (ちくま日本文学))
カテゴリ:一般
発行年月:2008.9
出版社: 筑摩書房
利用対象:一般
ISBN:978-4-480-42523-2

この全集の収録作品一覧

太郎坊 9−26
貧乏 27−48
雁坂越 49−80

この中の【雁坂越】で、気になる言葉を見つけた。確認したくて読んでみる。

で、読んでみたのだが、どの言葉が気になっていたのか、どうも思い出せない。

Twitterに「朝活書写」というのがあって、フォロワーさんが参加していらっしゃるのだが、その内の一つが ↓ にある言葉だった。

■雁坂越

おまえの居る方から甲府の方へは笛吹川の両岸のほかには路は無い、その路にはおまえに無暗なことをさせないようにと思って見ている人が一人や二人じゃあ無いから、おまえの思うようにあなりあしないヨ。

これは、ここで出てくるまだ10歳くらいの少女の言葉。
これしか思い当たる節はないから、その時は何か思ったのだろう。

 

さてそんなわけで、幸田露伴の本書を読んでみた。

「笛吹川」というのは、昔高峰秀子で映画になっていたような。何だか暗い話という刷り込みがあったのも、↑ の言葉に反応したのかも知れない。

しかしこの時代、10代の若い子でも、随分と達者な口をきくものだ。引用したセリフも、そうした女の子が無謀にも村を出て甲府へ行こうとする少年をいさめる言葉だ。

庶民の会話だから砕けたものだが、それでも日本語は綺麗だなと思う。同時に、関東地方の言葉だなと実感したことでもある。

 

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