佐々木譲【真夏の雷管 北海道警察】
著者:佐々木譲
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2019/07/13
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-4274-9
生活安全課の小島百合は、万引きをした男子小学生を補導するも逃げられてしまう。一方、刑事課の佐伯宏一は園芸店窃盗犯を追っていた。2つの事件は交錯し、思わぬ方向へ動き出す−。【「TRC MARC」の商品解説】
北海道警察シリーズの8つめだという。
著者の作品は【警官の血】があまりにも辛く、そのあとは(多分)1冊くらいしか読んでいない。運河の街の話しだった。小樽ではない架空の市ということだったが……。
著者をTwitterでフォローしていることもあり、著作については常に追っているつもりではあるが……。
さて本書は、出だしが非常にいい。
鉄道好きの少年が、夏休みの初日に初めてあった人に誘われ、手宮の鉄道博物館に行くことになる。
最高の夏休みが始まる予定だったのだが……。
手宮の廃線跡へは、二度訪れている。線路を少し歩いた。途中、ネコがいたっけ。
このプロローグで、その男が眺めていたのが、そして少年が好きなのが、札幌市郊外苗穂の車両基地だったこと。
少年のポケットには、朝母親がくれた夕飯用の500円だけがあること。
これらとタイトルそのものが、さりげなく複線になっていたのか?
本編が始まると、北海道警察の少年課と捜査三課の二組の捜査の様子が、交互に語られる。
少年が万引きしたのは、精密機械だった。
捜査三課が追っているのは、小さな園芸店で盗まれた水耕栽培用の追い肥。
この関係なさそうな二つが、どこで結びつくのだろうか?
途中唐突に、佐伯と百合の関係が描かれる。
はじめて読んだ自分にとっては唐突だったが、どうもシリーズの中では既知のことらしい。
佐伯の部下新宮も、バーに百合が現れると席をずらして彼女を佐伯の横に座らせているし。
最後、「現場は男だけ」主義の男がバーに現れ、百合に謝るのが面白かった。
表紙カバー絵にある大樹が、このあと幸せになりますように!
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