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2021.08.03

仁木悦子【二つの陰画】

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著者:仁木悦子
価格:660円
カテゴリ:一般
発行年月:1981.11
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-136215-4

 

高利貸でばっちり貯めこんでいた、アパート『満寿美荘』の女経営者が密室で殺され、しかも、遺言状が指名した遺産相続人は、まったくの赤の他人だった! 目的は遺産か? 

 

「成りすまし」の「成りすまし」という、二重の偽装。
それを「二つの陰画」と捉えたのか?
章ごとのタイトルも写真にちなんだものが使われている。

そのカメラマン健介と妻で好奇心旺盛な知子を探偵役に、住民たちや関係者の過去に遡って事件の謎に迫る。

いくら何でも素人二人だけでは無理で、健介の友人である新聞記者の助けが大きい。

大家の住む母屋とアパートとは、塀で仕切られていて母屋側からしか出入りできない。
何とも阿漕な大家である。

アパートの住民たちは彼女を「ばあさん」と呼んでいるが、実際の見た目(無関係の人たちから見たら)「奥さま」と写っているようだ。
その辺は、金離れのいい上客と見られているかどうかの違いだろう。

少々無理のあるどんでん返しではあったが、それぞれの過去が浮き彫りにされて、この時代を物語っていた。

プロフィールで登場人物たちが電話をかける場面が続くが、携帯電話のない頃、どこで掛けたかも大きなヒントになっていた。

 

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