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2021.09.01

中島さなえ【わるいうさぎ】

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著者:中島さなえ
価格:612円
カテゴリ:一般
発売日:2018/09/13
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-52147-4

ラボから脱走したわるいうさぎ、穴に挟まった饒舌なねずみ、“夜の当番”をさせられるたぬき、猛獣を愛し食べられたいと願ううさぎ。彼らがいる世界は、どこかで少しずつ繫がっていて…。連作短編集。【「TRC MARC」の商品解説】

 

動物実験をしている「ラボ」という研究所にとらわれている黒いウサギは、実験中反抗するものだから「わるいうさぎ」と呼ばれていた。

彼はある日、ラボを脱走する。「連れて行って」という隣のケージの若い雌ウサギを残して。

その彼は狸の集団に拾われるが、狸たちは集団で過ごすことで外敵からは身を守られていたが、団長と呼ばれるそれこそ「古狸」の圧政に苦しんでいた。
団長はウサギを気に入り、日に何度も自分のすみかから彼の作業ぶりを見に行く。
その度に、「わるいうさぎ」を拾ってくれた兄妹など団長の重たい輿を担ぐ4匹の狸は、一日に何度も往復せねばならない。
団長は「わるいうさぎ」に命令があるからやってこいという。用があるなら自分から出向けという「わるいうさぎ」は、報復を受ける。

その狸集団から逃げた「わるいうさぎ」は、ノモさんという男性の小屋にたどり着く。

それ以降は、ノモさんの小屋にいた「ネズミ」や「犬」、それに村近くの森に住んでいるフクロウや鷹の物語が続く。

「おかしみにあふれた大人の童話集」というが、内容は結構厳しいものが多い。

勇気ある「わるいうさぎ」の行動は、何を物語っているのだろうか?

著者は、あのなかじまらもさんの娘さん。
デビュー作である。

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