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2021.08.05

澤村御影【准教授・高槻彰良の推察6 鏡がうつす影】

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著者:澤村御影
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2021/05/21
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-111146-8

長野での記憶を失ってから元気がない高槻のもとに、絶縁状態だった従弟から、婚約者の肩に人面瘡が現れたという連絡が。凸凹コンビの民俗学ミステリ。【「TRC MARC」の商品解説】

今回もサラッと読めて面白かった。紹介文にある「凸凹コンビ」という言葉に笑ってしまった。そうか、そういう見方もあるのか。

 

冒頭作【お化け屋敷の幽霊】では、尚哉が事実上の遊園地デビューをする。
長野から帰ってからなんとなく浮かない高築も、この遊園地で遊んだことでだんだん元に戻りつつある。

お化け屋敷の仕掛け人が、本当に楽しんでお客を怖がらせるべく努力しているのがいい。

「死ぬほど怖い思いをして、トラウマだけ植え付けられて出てくるっていうのはエンタメじゃない。ただ怖い思いをしたいだけなら、山奥にある本物の廃校やら廃病院やらに行けばいいんです。お客さんが遊園地のお化け屋敷に並ぶのは、怖さと同時に楽しさを求めるからですよ。出口から出てきたときには、ああしてげらげら笑えないといけない」
というのは、いい言葉だ。

 

【肌に宿る顔】では、高築家のゆがんだ人間関係が出てきて、尚哉をハラハラさせる。

人はここまで、相手を無視したり侮辱したり出来るものか。

最初は嫌な人物だと思った高築のいとこが、次第に素をだしてくるのもよかった。

それにしても「暴力刑事」佐々倉と高築の友情(?)はうらやましいほどだ。
尚哉も次第に大人になっていく。

 

【紫の鏡】

これだけ、本当に怪異ものだった。

正直、人が消える話はキライだ。でもそれこそが、民俗学学者高築の追求していることなのだが……。

 

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