« 手帳の季節がやってきた | トップページ | たたみかけてものを買わないこと »

2021.09.19

仁木悦子【陽の翳る街】

Photo_20210905214901

著者:仁木悦子
価格:660円
カテゴリ:一般
販売開始日:2019/03/08
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
ISBN:978-4-06-183313-5

パン・菓子屋の娘・青瀬悠子、推理小説研究に熱中している大学生・高城寺拓、女性雑誌フリーライターの有明留美子、書店の独身店主・数々谷浩平。推理小説研究会・モザイクの会の4人は春の夜、どんぐり坂で殺人事件に遭遇した! そして、なんとその被害者は、記憶喪失にかかっていることがわかり……。さわやかで、面白さ満載のミステリー。

 

【花の散る街】【翳のさす街】【夢を売る街】【雨の降る街】【陽の沈む街】【風の荒れる街】【愛の灯る街】

いずれも「街」のつく語で終わっている章タイトルを観て短編集かと思ったが、違った。

被害者は、戦争中以前の記憶を失っているという、ちょっと変わった経歴の持ち主。
書店店主浩平は、自分の故郷で幼い頃隣に住んでいた人と間違えて声を掛けたことがあった。

ところが、その元隣人も働いている先の一家の殺人事件に巻き込まれたあと、突然姿を消していた。

この辺りから、話は断然面白くなる。

登場人物が多く、しかも同一人物で違う名前になっていたり、これが日本の話だからいいものの、外国人だったらメモなしではこんがらがってしまう。

途中、仲間の一人の不可思議な行動があったりしていたが、最後はうまくオチがついてよかった。

こうした商店街も、今は殆ど見かけないなぁ。

 

「モザイクの会」の一人拓は、【青い香炉】で仁木雄太郎と同じ宿に泊まった大学生だということを、あとで知った。最初はヘラヘラした若者かと思っていたが、気遣いのある心優しい青年だった。

 

|

« 手帳の季節がやってきた | トップページ | たたみかけてものを買わないこと »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 手帳の季節がやってきた | トップページ | たたみかけてものを買わないこと »