島田荘司【最後のディナー】
著者:島田荘司
価格:612円
カテゴリ:一般
販売開始日:2014/09/26
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
ISBN:978-4-16-748009-7
ミステリー作家の石岡は女子大生の里美に誘われて英会話学校に通い始めた。ふたりはそこで知り合った孤独な老人・大田原と親交を深めるが……。表題作など全3篇。
【里見上京】
東京の話かと思ったら、舞台は横浜だった。
「僕」というのは推理作家石岡のことで、里見は広島の大学から横浜の女子大に編入してきた。
二人は過去の事件で知り合っている。
【大根奇聞】
これはオリジナルではなく民話から取ったと、解説にあった。
この話「マンガ日本昔話」で見た覚えがある。最後の、雪が辺りを覆い隠す場面がよかったなぁ。
そして、【最後のディナー】。
コミュ力に欠ける石岡が、なんと里見に誘われて英会話スクールに通い始める。
英語が苦手な石岡は里見と同じクラスには入れず、一番下から始めることになる。
そのクラスに、クリスチャンの大田原という初老の男性がいた。
彼もクラスのみんなとは打ち解けていなかったが、ちょっとしたきっかけで石岡と話すようになる。
やがて里見も交えて3人、クラスが終わってからお茶を飲む日が多くなった。
大田原はふしぎな人物で、過去のことを語ろうとはしない。
だが貧しいその家には、マイセンの紅茶カップがあった。
その彼が石岡と里見に、ランドマークへ連れて行って欲しいとせがみ、夕食に招待する。
彼が手元不如意だと思っていた石岡は、この誘いを訝るのだが……。
その「最後のディナー」はご馳走で、彼は自分のことを初めて話す。
そしてマイセンの紅茶カップを二人にプレゼントする。
大田原は、死ぬつもりだったのだ。
この【最後のディナー】については、著者自身が背景について記述している。
それによると、大田原のモデルは早川雪洲の息子だというのだ。
今回御手洗は海外にいて、石岡のFAXによる相談に電話で回答するという、海を越えた安楽椅子探偵だった。
「御手洗ものは順番に読むべし」というアドバイスもあるが、そんなに関わり合っていられない。
上記二人が巻き込まれた事件の【龍臥亭事件】というのは上下もので、大変長編のようだ。
ま、気の向くままに他の本の合間に読破していくことにする。
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