篠宮あすか【あやかし屋台なごみ亭 : 1 金曜の夜は不思議な宴】
著者:篠宮あすか
価格:528円
カテゴリ:一般
販売開始日:2017/03/29
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
ISBN:978-4-575-51948-8
成人式の翌朝、二日酔いで目覚めた浩平の部屋には、見知らぬ男性・コンがいた。戸惑いながらも、浩平はコンに連れられて中洲の屋台、なごみ亭に行く。店主のなごみと、実は神使の見習いのお狐さんだというコンの働くその屋台は、訳ありのお客とあやかしが集まる、ちょっと変わったお店だった。
どこかで見たことのあるような設定。同様の本は多いのか?
「あやかし」ものは、そんなに好きではない。
最初はあまり乗れなかったが、次第に面白くなってきた。
博多名物「屋台」が舞台だが、この屋台は金曜日にしか開店せず、しかも積極的に客を呼び込んでいるわけではない。
味覚障害になやむ浩平はこの屋台「なごみ亭」で働く内、しだいにその魅力にはまっていく。
店主のなごみは、金曜日だけこの屋台を置き、他の日は違う仕事をしているようだ。といっても料理関係のようで、料理の腕はよい。
最初に浩平を屋台へ連れて行ったのは、狐の「コン」。
次は猫又の「ミー」。少女に飼われているが、その最期を知ってしまって、自ら彼女を救う。
次は天邪鬼。鬼の子どもだ。
最期が、浩平の事情。
母親が看護師だった彼は、母の仕事の関係で一人ご飯が多かった。
頑張って弱音を吐いていなかったことが、結局味覚を感じないという症状になって表れていたのだ。
なごみ亭に通ううち辛みを取り戻すときもあったのだが、完全には治らなかった。
それが、自分を守ってくれていたあやかしとの出会いで、味覚を感じるようになる。
それぞれのあやかしはそのままの姿を見せたり、人間の姿を借りていたり。
主を救った猫の「ミー」が哀れだった。
いや、本人(本猫?)は満足だっただろうが。
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