喜多義久【科警研のホームズ 】
著者:喜多義久
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2018/11/06
出版社: 宝島社
レーベル: 宝島社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-8002-8999-5
大人気「化学探偵Mr.キュリー」シリーズの著者が描く、初の科学捜査ミステリー!
「化学探偵」というのは知らないが、こちらはシリーズもので続きがあるらしい。
土屋は、科警研のホームズと呼ばれた非常に仕事が出来る。
だが判断ミスが原因で後逮捕がおき、彼は責任を取って辞任し、大学の研究室へ行ってしまう。
冒頭のプロローグで、その土屋を戻したいと願う上司の気持ちが書かれている。
そのために彼は特別なセクションも設け、土屋をその室長にした。
そして東京・北海道・兵庫から、それぞれ科研の仕事をしている三人をあつめ、研修と称して難解な事例の解決にあたらせる。
そのあとはそれぞれの事例だが、最初に犯行を描くいわば倒叙ものである。
各タイトルが漢字で修飾されるカタカナ語で統一されている。
いずれも三人の研修生が考えても解決できなかったことを、土屋に相談すると聞いただけで状況判断して解決のヒントをくれるという進行。
その間、上司は週に一度は土屋に電話をして翻意を促すのだが。
【残光のメッセージ】
【楽園へのナビゲーター】
【惜別のロマンチシズム】
双子のどちらかが犯人という設定。
有栖川有栖にも同じようなのがあったが、一卵性双生児というのは本当に見た目ではわからないらしい。
【伝播するエクスタシー】
「現代の通り魔」という、なんとも物騒な犯行。
土屋というのがかなり個性的で、何かに没頭すると他のことは見えなくなる。聞いたことも覚えていない。
しかし土屋の失策が仕組まれたものだということが判り、上司は一層彼を説得しようとする。
最後は、土屋と三人とも将来に展望を見つけて「めでたしめでたし」というべきか。
ちょっと気になったこと
三人の研修生の内、一人は女性だ。
彼女は兵庫県警でそれなりの活躍をしてきており、この研修でも非常に積極的である。
だが彼女のことを描くとき、地の文では「愛美」と姓ではなく名で書いてある。
会話の中ではあとの研修生も土屋も、彼女を姓で呼んでいる。
「名」で表すしているのは、著者の何げない癖(? 女性は名前で書く)ということなのかもしれない。
こんなところにも、女性差別(おおげさかな?)を感じる。
悪意はまったくなく、まったく頭になかったということだろうが。
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