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2021.12.18

仁木悦子【緋の記憶】

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著者:仁木悦子
価格:660円
カテゴリ:一般
販売開始日:2019/02/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
ISBN:978-4-06-183050-9

 

御影探偵もの。
いずれも各タイトルはよく覚えているのに、中身の方はすっかり忘れてしまっていた。

 

冒頭作「暗緑の時代」は、御影がふと入ったギャラリーの遺作展から始まる。

これは何となく内容を覚えていた。

信頼していた人の裏切りは辛い。

 

表題作「緋の記憶」

繰り返し同じ怖い夢を見るという若い女性の依頼人。
その記憶にある「真っ赤な花」というのは、ツツジのことだった。

ほぼ15年前の事件。自殺として片付けられた女性の母の死は、本当は他殺ではなかったのか?
本社が書かれた頃は、まだ「殺人事件も15年で追跡されなくなる」時代だった。

「アイボリーの手帖」は、行方不明になった妻を探して欲しいという男の依頼。

新婚からまだ日も浅く、夫婦仲は睦まじかった。

これも登場人物が少なく、ほぼ展開が読めた。
「緋の記憶」もそうだったが、世の中、随分と悪辣なことを考える人間がいるものだ。

この二作は、いずれもお金が悲劇の引き金になっていて、「暗緑の時代」とは正反対と言えそうだ。

 

「沈丁花の家」は、依頼者の家のチグハグさに気づくかどうかというのが焦点。
ちょっとした違和感が、解決に繋がる。といっても、事件を防ぐことは出来なかったのだが。

 

こうしてみると、本書はほぼすべて「裏切り」がテーマのようでもある。

 

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