堂場瞬一【黒い紙】
著者:堂場瞬一
価格:880円
カテゴリ:一般
発売日:2018/09/22
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-106742-0
警察小説の旗手が放つ、企業謀略ミステリ!
警察を辞めて、危機管理会社「TCR」に就職した長須。
まだ34歳なのに辞めたのには何か曰くがあるようだが、それは半ば過ぎまではっきりしない。
そんな中、大手総合商社の「テイゲン」に、脅迫状が届いた。
解決を依頼されたTCRの社長光永は、長須を担当者にする。本来の担当者がいるにもかかわらず。
社長も、この元々の担当者も、警察出身である。
もう一人、弁護士の資格を持っている美和という女性社員もいる。
一風変わった人物で、長須は翻弄され続ける。
警察時代のやり方とまったく違う職場に戸惑うことも多い長須だが、しだいに溶け込んでいく。
事件の発端が30年前で、旧ソ連と「テイゲン」社長とのことが脅迫状の元になっているのだが、その脅迫状はワープロで打たれたものだった。
親指シフトも出てきて、懐かしかった。
一番最初に使ったのが、まさに富士通のこの手の機種だったから。
「はときいん」といったキー配列も、一生懸命覚えたものだ。
34歳の長須には、まったく解らない世界のようだが。
長須は孤独を貫いているようであって、やはり元同僚宇佐の言葉は胸に染みたようなのが救いだった。
長須には縁のなかった会社組織の裏切りは、こうも根深いものなのか。
公務員だった自分にも、こうして本の世界でしか知らない世界だが。
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