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2022.01.08

和久峻三【証拠崩し】

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著者:和久峻三
価格:649円
カテゴリ:一般
発行年月:2005.7
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:4-06-275149-6

最強の老弁護士、伝説のデビュー戦!口は悪いが人情家、弁護士猪狩文助、無名時代の逆転法廷ドラマ!

 

【禁断の館殺人事件】を読んだので、シリーズ最初の分を読んでみようと思ったのだが……。

何とも不潔な感じの老弁護士。検事からは突っかかられるが、判決後にはその検事との暑中見舞いのやりとりに和む。判事からはバカにしたような態度を取られる。
検事も判事も、彼をあまり知らないのか?

この頃にはまだ奈良に住んでいて、彼を知っている人はほとんでいなかったのだ。

【禁断の館殺人事件】の時には祇園に贔屓の芸妓がいて、それなりに身なりに気をつけるようになっていた。

しかも冒頭【ペテン師の遺産】では、彼自身詐欺師の仲間と思われそうな行動を取る。
と、何もかもが異例な弁護士の話。

本書では、まだ奈良暮らしである。

その【ペテン師の遺産】だが、舞台が兵庫で、猪狩のことを知らない女性検事に激しく食いつかれる。

 

二つ目の【破綻裁判】では、一転猪狩の粘り強い調査が実を結ぶ。
しかも、敵対していた裁判長にも温情をかけるなど、なかなかの人物であると思える。

しかしこの容疑者、随分と大変な暮らしをしてきた。
こういう人のためにこそ、弁護士は働いてほしい。

 

次の【手の白い悪魔】では、悪徳商社の手法を見せつけられた。
「手の白い悪魔」とは、彼らのことを言う。

 

【黄昏時にベルが鳴る】

これまた、罠に掛けられた容疑者を救う話。
彼女は、随分惨めな幼少期を送ってきた。

こんなひなびた温泉、行ってみたいな。
季節によっては常連さんもいるみたいだ。

 

【殺人者のやってくる日】

今回の舞台は、ようやく奈良。しかも山奥の十津川村である。

子どもを巻き込んだ親族間の争いと見せかけて……。

 

それぞれの最後に、猪狩の下手な俳句もどきがついてくる。
ここでクスッとなる。

 

関連記事

【禁断の館殺人事件】(21.01.04)

【証拠崩し】(22.01.08)

■他の告発弁護士シリーズ
迷走法廷
沈黙の裁き
犯人の画かなかった絵
偶然防衛
時の剣
誤判―私は殺していない!
悪の扉
騙すつもりじゃなかったのに
殺人者が目覚める朝
罪を逃れて笑う奴
二重の危険
悪女の玉手箱
危険な依頼人
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