堀辰雄【大和路・信濃路】
著者:堀辰雄
価格:506円
カテゴリ:一般
発売日:2004/09/01
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-100406-8
古典的な美へのあこがれと、近代的な感覚を研ぎすまして、「大和路」を歩いた際の小品集・随想集と、同じく旅の記録「信濃路」をまとめて1巻とした。堀辰雄の資質を知るための鍵となる作品。
たまにはこうした静謐な文章に触れたくなる。
「大和路」は知っているところが多いだけに、非常に親しみを感じる。
80年前の大和路は、今とはまったく違うようだが、自分が結構訪ねていた頃とはそう違わないような気もする。
よく行っていたのは、思い出せばもう半世紀から60年近く昔のことだ。
ここに出てくる土地がすべて懐かしく、今も訪れたいと思う。
京都と比べて、どうなのだろう?
勿論京都も好きだが、奈良の方が素朴な感がある。
よく京都は点で、奈良は線だと言われるが、そう、一箇所で過ごすより周りをずーっと邂逅したいというか。
特に甘樫丘から見る風景は好きだ。
著者は奈良ホテルに泊まって、あちこち放浪されていたようだが、うらやましい限りだ。
後半の信濃路にも、多少通じるようなところがある。
子どもの頃、岐阜の田舎へ遊びに行っていたからか(と言っても殆どが夏休みだが)、こうしたひなびた何も無いようなところが好きだ。
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