田辺聖子【ほとけの心は妻ごころ】
著者:田辺聖子
価格:858円
カテゴリ:一般
発売日:2020/07/16
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-109677-2
昭和の夫婦10組の日常をリアルに、コミカルに描く作品集
夫が威張る相手は私しかいない。そう思うと、ワガママで身勝手な夫を捨てるのも哀れに思えてくる。こういう、男を甘やかすホトケ心は実は危険なもので・・・・・・。(「ほとけの心は妻ごころ」)
夫は中年にもなって美貌が自慢。ちょっとお多福顔の私と見比べては「美男と野獣」とご満悦。しかし私は気がついた、美貌とは見飽きるものだ。(「美男と野獣」)
オロカな夫を見つめる妻たちの日常を、鋭い筆致とユーモアで描いた10篇。
田辺聖子2ヶ月連続復刊・第2弾。
解説・寺地はるな
「カモカのおっちゃん」の話しは好きだが、本書の男たちにはウンザリした。
紹介文に「オロカな夫を見つめる妻たちの日常」とあるが、「これでもか、これでもか」と繰り出される「オロカな夫」の所業には呆れるを通り越して憎しみを感じる。
そんな夫たちを愛おしみ、従っているとみせかけて実は翻弄している妻たちの話なのかもしれない。
冒頭の表題作【ほとけの心は妻ごころ】での、主人公が実家の母を見つめる姿勢には、涙が出る。
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