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2022.03.31

恩田陸・米澤穂信・ 青崎有吾【学園ミステリー】

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編者:千街晶之
著者:恩田陸・米澤穂信・ 青崎有吾
価格:1,760円
カテゴリ:小学生
発売日:2021/11/20
出版社: 汐文社
利用対象:小学生
ISBN:978-4-8113-2910-9

大人気作家の作品から、ミステリー小説のエッセンスを楽しめるショートストーリーを厳選しました。
学園をテーマにした、ドキドキ、切ないミステリー・アンソロジー。

【収録作品】
恩田陸「水晶の夜、翡翠の朝」
米澤穂信「鏡には映らない」
青崎有吾「メロンソーダ・ファクトリー」

 

冒頭の【水晶の夜、翡翠の朝】は、怖かった。
舞台はどこだろう?日本人も出てくるが、何だか外国の話のようだ。最後に「マフィア」が出てきたりして、これにはビックリ。
校長の存在が、いい緩衝材になっている。

さりげなく、しかし確実に相手を死に追いやる手法には、ゾッとする。

 

米澤穂信の【鏡には映らない】は、「古典部シリーズ」のスピンオフ的なもの。

高校が舞台だが、中学時代に遡って卒業制作に隠された罠を、奉太郎が自らの名誉を犠牲にして解決する話。被害者曰く『呪いが解けた』と。
全部知っているくせに知らん顔しているふくちゃんが愉快だ。

チーちゃん(本名は何だったっけ?)と奉太郎の姉も、ちょっとだけ出てきた。
チーちゃんと語り手の「わたし」(井原)は幼なじみのようだが、出身中学は違ったのかな?

色々思い出したが、忘れてしまっていることの方が多かった。

解説を読んで思い出した。
これはスピンオフではなく、古典部シリーズ中の一冊の一篇だった。

 

【メロンソーダ・ファクトリー】も著者もお初かと思いきや、【体育館の殺人】を読んでいた。

そしてこの一篇【メロンソーダ・ファクトリー】も、既読だった。
ネクタイを結んであげる場面も、上靴の色が解らないという話も思い出した。

「絶対名作! 十代のためのベスト・ショート・ミステリー」はあと三冊あるようで、順に読んでいこう。

 

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2022.03.30

安野光雅【旅の絵本 改訂版 2】

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著者:安野光雅
価格:1,540円
カテゴリ:小学生 一般
発売日:2006/11/10
出版社: 福音館書店
利用対象:小学生 一般
ISBN:4-8340-2249-8

より美しくて、より楽しい「改訂版」として生まれ変わりました。

 

何と、一巻目に出てきた旅人が、今回も登場。
彼はこのあと、ずっと出てくるのかな?
とすると、中国や日本にもやってくるのだろうか?

一巻目と同じく、田園地帯から都会へと移動し、最終画面は湖でボートを漕いでいる。
そしてそれは、一巻目の冒頭と同じだ。

二巻目冒頭は、逆に一巻目最終ページとリンクしているような風景。

【旅の絵本の謎を解く】といった本も出ているようだが、それに頼らず、何度も眺めて少しずつ発見してから追記していこう。

 

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【旅の絵本】(04.10.17)

 

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2022.03.29

祥月命日

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つれ あいが逝って、ちょうど2年経った。

当日の日記を見ると、

8時29分 病院から電話
9時半 病院着
9時54分 Y夫逝く

とある。


病院へ着くのに時間がかかったのは、途中娘をピックアップしたから。
この日は昼間も行っていて、まさかこんなに急にとは思わなかった。

コロナが騒がれ出した頃で、もしかしたらコロナではと疑ったものだ。

 

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食べくらべ

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先日「グランカルビー」(22.03.23)について書いたが、「ポテトベーシック しお味」 (↑) と「じゃがクリスピー インカのめざめ カルビープラス」を食べ比べてみた。Photo_20220322130101_20220326142001

「インカのめざめ」 (→) の方には「辛い」というレビューがあったが、どちらかというと「ベーシック」の方が辛く感じた。

食感も、少し違う。

「ベーシック」の方はいかにもポテチという感じだが、「インカのめざめ」は形も少し小さくて丸めでおいしい。勿論、形が美味しいのではなくお味が。さすが「インカのめざめ」?

 

どちらも、危険な食べ物であることは間違いない。
なぜなら、開けたら最後、全部食べてしまうから。

 

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2022.03.28

秋川滝美【ひとり旅日和】

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著者:秋川滝美
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2021/10/21
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-111630-2

人見知りで要領の悪い日和は、仕事場でも怒られてばかり。社長から気晴らしに旅へ出ることを勧められる。
少しずつ成長していく日和の姿は、仕事にも影響し始めて、周りの目も少しずつ変わっていく―。

 

思わぬ拾いものだったかもしれない。

ゼミでただひとり内定を貰えていない日和は、教授の紹介でとある中小企業へ就職する
だが人見知りの上要領も悪い彼女は、直属の上司にいびられてばかりだ。

だがある日、そのことを憂いてくれていた社長から勧められ、ひとり旅に出ることにする。

ガイドブックを探しに行った書店で出会ったのは、意外や職場の隣席にいる加賀麗佳という女性だった。
旅行好きな彼女のアドバイスで、まずは泊まりではなく日帰りで行けるところを目指すことに。

麗佳との話の中で出てきた「パワースポット」を目指すのもいいかと考え始める。

で、最初は日帰りだったのが、だんだん遠くへ行くようになる。

【第一話 熱海 ゆで卵と干物定食】

熱海の来宮神社へ詣でたあと、卵を買って温泉でゆでて貰うところで、思いがけずひとりの男性に声を掛けられる。ごく普通に会話の出来ることに驚く日和。
一緒にゆで卵を食し、そのあと入った食堂で極上の鰺干物定食をランチに。
ホントにおいしそうな焼き魚定食だこと!

嫌な上司は於いて、日和の周りには「いい人」が多い。
家族はもちろんだが、就職を心配してくれた大学教授。拾ってくれた会社の社長。そして隣席の同僚女性など。

苦手部門でクヨクヨするのではなく、書類づくりなど得意な分野でがんばっていけそうだ。

そのあとも、

【第二話 水郷佐原  蕎麦ととろとろ角煮】

ここで出てきた、日和の食事に対する思い。「晴れと褻」の考え方も好ましい。

【第三話 仙台 牛タンと立ち食い寿司】

仙台駅近辺は、構内も含めてよく覚えている。泊まるのは近くのJR系ホテルだ。
牛タンは食べなかったが、土産にはした。

【第四話 金沢 海鮮丼とハントンライス】

鼓型のアーチは乗り換えの際見に行った。
あとは団体で観光ではなく来たので、街歩きはしていない。
兼六園は家族で行って、暑かった記憶が。

【第五話 福岡 博多ラーメンと鯛の兜煮】

たしかに、屋台は女ひとりでは引いてしまうわなぁ。

 

仙台・金沢・博多と、馴染みのある土地もあり懐かしく感じた。
本の感想と言うより、自分の思い出か。

水郷佐原というのは、行ってみたい。

続きもあるようで、読むつもり。

そうそう、熱海と金沢で偶然出会った男性も感じよかった。と、これは本の話。

 

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2022.03.27

特急やくも、懐かしの「国鉄色」で運行 1日2往復、新車両導入まで

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特急やくも、懐かしの「国鉄色」で運行 1日2往復、新車両導入まで

自分が乗ったのは、この車両だったような。

いつ頃から変わったのだろう?

 

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2022.03.26

松本清張【高校殺人事件】

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著者:松本清張
価格:607円
カテゴリ:一般
発行年月:2011.3
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-74927-9

清張作品では稀な青春推理小説で、瑞々しい感覚を放つ一作。

 

高校生の受験用雑誌「高校コース」に連載されて、後にノベルズになる。
発刊されてかなり経ってから読んだような気がする。

それまでの清張作品とは全然違っていた。対象が高校生ということを意識していたのだろうか。
中身は、さっぱり覚えていなかった。

冒頭出てくる「ノッポ」が探偵役かと誤解していた。
彼は被害者だったのだ。

彼と仲がよかった私(羽島)とその仲間たちは、ノッポが殺された理由を知りたいと、現場付近を探索する。
そこで彼らは近くの寺の僧良念の行動に不信感を持ったり、突然現れた担任中村先生のことが気になったりするのだが……。

 

戦争の戦い以外の面を引きずりつつ、開けていく時代の武蔵野を舞台に、高校生たちの活躍が描かれている。

いつだったか、内田康夫がやはり戦時中の闇物資のことを取り上げていたように記憶しているが、どの時代にもずるいことをして私腹を肥やす者どもは存在していたのだ。

 

 

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2022.03.25

思い込み

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【憧れの女の子】の中の一篇【ある男女をとりまく風景】ではジェンダー問題も取り上げていると書いたが、自分自身、固定観念があることを実感させられた。

しかし読んでいるときに多少の違和感を感じた部分もあり、それがあとの話に繋がっていた。

冒頭、マスミがゴミ出しに出る場面。近所の主婦の視線を気にしている。
もっとあとで出てくるが、学生時代にバンドを率いて熱唱していたこと。


婦人会館でのアート講習会での場面。同じテーブルにいる主婦たちの思い(グループに入れるかどうか)を察し、自らフレンドリーに自己紹介していく。
その作品(モビール)を、帰宅した連れ合いのジュンは「こんなことして遊んでいるの?」となじる。

またマスミは、家事を完璧にこなす。流しのカランをピカピカに磨き上げた達成感などには、共感出来る。
そしてジュンになじられたとき、家事の費用対効果について語るが、ジュンは耳に入れようとしない。

この辺を読んで、読者の殆どが同じ思いであったろう。

 

それが裏切られたのは、ジュンが家を出て友人宅に泊まり、話し合いの場でその友人が『ジュンちゃん、妊娠しているのよね』と言ったときだ。一瞬、目を疑った。

 

マスミは専業主婦でジュンが働いて収入を得ている。
この「当たり前」の構図が、逆転していたのだった。

ジュン自身、マスミが働かないことに対して不満がある。
マスミが、『子育ては自分がする』と言うのに対し、『働いて欲しい』と望む。

結局話し合いはうまくいかず、二人は別れることになるのだが。

 

いやー、思い込みというのは恐ろしい。

 

画像は4年前の今日、ご近所のユキヤナギ。春ですねぇ!

 

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2022.03.24

朝比奈あすか【憧れの女の子】

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著者:朝比奈あすか
価格:641円
カテゴリ:一般
発売日:2016/03/10
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-51873-3

男女の日常に生じたさざ波から見える、人間の愛おしさやつよさ。「心にしみる人間賛歌!」と王様のブランチでも絶賛された傑作短編集。

 

表題作【憧れの女の子】は、男の子が二人いる夫婦の話。

次はどうしても女の子が欲しいと、色々情報を集めて廻る。

だが努力の甲斐もなく、次に授かったのも男の子だった。まだ胎内にいる内から性別が判るから、中には産み分けたいと願った性と違うからと胎児を殺す親もいるとか。

しかし結局二人はその命を守り、又次を目指す。

それから6年後、更に一人男の子が増えていて、妻は妊娠中。
その性別を医者に告げられるところで、話は終わっている。

【ある男女をとりまく風景】では、ジェンダー問題を取り上げている。

ところどころ違和感があり、それが伏線になっていた。

マスミはゴミ出しにも近所の主婦たちの視線を気にしたり、婦人会館での趣味の会でもフレンドリーな態度で臨むようにしている。
そこで作ってきたモビールをみたジュンは、そんなガラクタを作って、と機嫌が悪い。

ジェンダー問題に取り組んでいたのに、結婚後のジュンの態度に戸惑うマスミ。

結局、男は働くべし、主婦はこうあるべしという価値観は変わっていないのだった。
少々肩透かしを喰らった感じ。

【弟の婚約者】

これまた、気持ち悪い家族関係。
息子が、7歳年下の弟が、可愛くてたまらない母子。
何だか異常だ。

その母親に「失格」とされる弟の恋人の方がまともだ。

姉も又、婚約者の母親から失格とされて結婚しなかった過去を持つ。

いやーな母親たちは、現在も健在?

【リボン】

リボンをつけて接客するカフェのオーナー。これまたジェンダー問題を含んでいる。

【わたくしたちの境目は】

妻を亡くした初老の男の、色々な思い出など。

長男一家が温泉に誘ってくれ、秘湯で過ごす一夜。
そこは、妻と一緒によく来た場所だった。
温泉行きだけでなく、妻との思い出がよぎって消える。

これが一番よかったかな。

 

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2022.03.23

グランカルビー

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「やめられない 止まらない」のカルビーだが、「グランカルビー」という商品があるらしい。

カルビーと阪急百貨店が共同開発した、阪急梅田本店限定の「想いをつなぐ」ポテトチップスだとか。

それが「キッチンエール」で販売されたので、試しに購入してみることに。

お味については、試食後に!

 

当日追記

「グランカルビー」なるものは、以前からあったらしい。
そして残念ながら、「インカのめざめ」は売り切れだった。

 

画像はその「インカのめざめ 塩味」なるもの。

 

 

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2022.03.22

原田ひ香【ランチ酒】

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著者:原田ひ香
価格:759円
カテゴリ:一般
発売日:2020/10/15
出版社: 祥伝社
レーベル: 祥伝社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-396-34674-4

今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯! 心を癒し、胃袋を刺激する絶品小説。

 

一度読んでいて面白かった記憶はあるが、中身はきれいさっぱり忘れてしまっていた。

美味しい料理とお酒が出てきたなぁ、大阪も舞台になっていて嬉しかったなぁということしか覚えていなかった。

大森祥子は、夜間の仕事をしている。
それを終えた朝、帰宅途中でその日(前日からの)最後の食事をする。
だから、ランチというより夕食にあたり、お酒も必須となる。

夜の仕事と言っても、どこかで働くのではなく、依頼者の自宅へ行き、頼まれた仕事をこなすのだ。
それは子どもの見守りであったり、認知症の母親であったり、時にはペットのこともある。


その「中野お助け本舗」という会社の社長は、祥子の同級生でもあった。
彼の父親が著名人で、そのことも「他人を夜家へ上げる」という信頼を得ることに繋がっていた。

祥子自身は、どうやら離婚して子どもは夫の側に取られ、月一会えることだけのようだ。
彼女自身の事情は、少しずつ語られていく。

 

という事情で摂るランチとお酒を列挙しておく。

第一酒 武蔵小山 肉丼:日本酒二種類

キャバクラで働くシングルマザーの幼い娘

第二酒 中目黒 ラムチーズバーガー:外国製のビール

老犬

第三酒 丸の内 回転寿司:

会社員のアルツハイマーを病む母親

第四酒 中野 焼き魚定食

第五酒 阿倍野 刺身定食

第六酒 御茶ノ水 牛タン

第七酒 新宿 ソーセージ&クラウト

第八酒 十条 肉骨茶

第九酒 新丸子 サイコロステーキ

第十酒 秋葉原 からあげ丼

ここでは「無神経でバカな」依頼人にいらついて、つい暴言を吐いてしまい、夜中に放り出される。
依頼人は亀山の学生時代の友人で、彼も頼んだことを気にしていてくれた。

第十一酒 新丸子リベンジ アジフライ

第十二酒 代官山 フレンチレストラン

第十三酒 房総半島 海鮮丼

第十四酒 不動前 うな重

第十五酒 秋葉原、再び とんかつ茶漬け

第十六酒 中野坂上 オムライス

いずれもいずれも美味しそうで、どの店も行ってみたくなる。
ただし飲めないのが残念。

この間に娘との関係も少し触れられているのだが、どう進んで行くのかは判らなくて気になる。
ちゃんと娘を育てられるようになりますように!

 

 

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2022.03.21

春分の日

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「暑さ寒さも彼岸まで」と言うが、むしろ彼岸に入ってからの方が寒い。
この日は昼と夜が半分ずつのはずだが、実際には16日だったかに「日の出」「日の入り」とも6時ちょうどで昼夜半分こだった。

これは「日の出」が太陽が頭を出す時間なのに対し、「日の入り」が半分沈んだときだったかな?にカウントするからだったと思う。

いずれにしても、「ホントの春」が待たれる。

 

画像は7年前、大分のホテルから。

 

 

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シニアも犬猫を飼いたい! 飼い主の「もしも」に備える仕組み

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シニアも犬猫を飼いたい! 飼い主の「もしも」に備える仕組み

リンク先とは別に、19日の「トップランナー」では、ペットと一緒に入居できる特養ホームが取り上げられていた。
その方の場合は、ホームに入るために愛犬を処分した老人の嘆きを忘れられなかった方が作った特養ホームの話だった。

ペットを飼いたくても、やはり自分が先に逝くかもしれないと思うと、踏ん切れない。家族が減っていった時こそ、ペットと暮らしたいこともあるだろうに。

画像は、9年前。市役所のエレベーターから、中庭を望む。

 

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2022.03.20

木皿泉【昨夜のカレー、明日のパン】

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著者:木皿泉
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2016/01/07
出版社: 河出書房新社
レーベル: 河出文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-309-41426-3

7年前、25歳で死んだ一樹。嫁のテツコと一樹の父は、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にある「コトバ」の力が心にしみる連作小説。

 

【ムムム】

テツコは亡くなった夫の父と暮らしている。

彼女には付き合っている人がいる。しかし結婚には踏み切れない。
その理由を、テツコは「家族を作るのが嫌だから」と言う。

 哀しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだと知ってから、テツコは、いろいろなことを受け入れやすくなったような気がする。

 

【パワースポット】

タカラは亡くなった一樹の幼なじみだ。

アテンダントのタカラが、テツコに頼まれて一樹の持っていた(実はテツコのおみやげ)「サンタクロース」を持ってフライトする。
テツコはどうやら、あるけじめをつけたい模様。

【山ガール】

テツコは義父を「ギフ」と呼ぶ。文字通り「まんま」だが。
その義父に何か趣味をと勧めていて、会社の同僚が山登りをしている話になった。
テツコもそう親しいというわけではないが、ギフはその話に乗り気になる。

装具を整え、山登りの日を待つ。

その「山ガール」を師匠とした山登りは、またギフに新しい生き方を教えてくれたのかもしれない。
テツコと同じく、彼女も他人に迎合しない潔い生き方をしていた。

【虎尾】

虎尾とはまたスゴイ名前だが、一樹のいとこで自動車を引き取ってくれた。
母親からは邪魔にされている自動車だが、虎尾は廃車にする気になれない。

だがある日、テツコが密かに持っていた骨片を一緒に墓に戻しに行った頃から、彼もまたけじめをつけて車を処分しようかと考え始める。

【魔法のカード】

テツコに結婚を申し込んでいる岩井が、結婚詐欺に遭って500万円ほど失ったらしい。
その噂に傷つくテツコ。

だが真相は……。

続いて一樹の亡くなった母、夕子の話【夕子】

そしてギフと岩井の二人だけの【男子会】

脛に傷持つ二人のナイショのお話し。

【一樹】で、亡くなったテツコの夫一樹の話になる。
そしてここで初めて、タイトルの【昨夜のカレー、明日のパン】になる。

文庫版書き下ろしの【ひっつき虫】が最後に来る。

順に読んでいくと、一つ一つの話は独立していながら、繋がっている。
登場人物も少ないし、比較的狭い範囲で完結している。

脇役ながら、【夕子】での、彼女の先輩で理不尽なことで退社する女性、秋山さんがかっこよかった。
テレビでは、片桐はいりが演じていたらしい。

 

著者の木皿泉さんは、夫婦での書き手だとか。本業は脚本家らしい。

 

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2022.03.19

キューピッド、なぜ消された?  フェルメールの2作品、東京で公開

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キューピッド、なぜ消された?  フェルメールの2作品、東京で公開

油絵は水彩画と違って、あとから塗り直しなどが出来る。

この作品「窓辺で手紙を読む女」は、これまで見えていなかったキューピッドの部分が、修復後出てきたとか。

しかし画家自身の上塗りではなく、没後何らかの事情で上塗りされているらしいことも判った。
同時に、キューピッドが示唆している意味も判ったのだとか。

構図は、よく見る左側に窓があってその前でポーズしている図だ。

もう一つの作品とともに、東京都の二箇所で公開されている。
美術館行きも、さっぱりご無沙汰だ。

 

画像は5年前の夏、足立美術館にて。

 

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2022.03.18

芦原すなお【山桃寺まえみち】

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著者:芦原すなお
価格:681円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2012/05/11
出版社: PHP研究所
レーベル: PHP文芸文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-569-67843-6

 

芦原すなおは好きだ。

 

以前読んだ【ミミズクとオリーブ】に読書メーターで「いいね」がついて、思い出した。

そこで読み始めた本書だが、途中で気分がわるくなること再々。
何が原因だろう?

多分、表現の下品さだろうと思う。

主人公のミラは、祖母がやっていた居酒屋を、大学を休学して継いでいる。

その祖母は入院して、あと半年のいのち。
ミラの父親は女性と一緒に家出して、母は再婚している。

この母親というのがどうしようもないというか、情緒不安定でしょっちゅう娘に電話をしてぐちっている。

ミラの周りの男女も一風かわったのが多く、気持ち悪い。

【ミミズクとオリーブ】で語り手と、事件を持ち込んでくる友人である警官の話しぶりも、そうだったかもしれない。
その頃は、少々うっとうしさを感じながらも、あまりそう思わなかったのだが。

 

お寺の住職の存在が救いになっている。

 

 

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2022.03.17

「真央リンク」誕生へ

   

    

「真央リンク」誕生へ 浅田真央さんが描く夢とは?

引退したアスリートたちが、こういう形で後輩たちを応援してくれるのは、実に頼もしい。

 

画像は5年前。
とある研修会後、居酒屋での慰労会にて。

あの頃は、しょっちゅうこうした会合があったなぁ。

 

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2022.03.16

柊サナカ【天国からの宅配便】

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著者:柊サナカ
価格:1,650円
カテゴリ:一般
発売日:2022/02/17
出版社: 双葉社
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-24490-8

。依頼人の死後に届けものをするサービス「天国宅配便」の配達人が贈る、心温まる感動の物語。

 

「宅配便が天国から来る」というたまげた話ではなく、生前この宅配便業者に頼んでいたものを、依頼人の死後届けてくれるという話。

それぞれ、思いを残して亡くなった人たちの気持ちが切なく、受け取った方も辛い。

 

最後の、高校時代の部活の先生に対して、部員たちは余り記憶にとどめていなかった。
部員同士も交流は特になく、内申書の為に仕方なくしていたサークルだったから。

だが、先生の方は生徒たちを一生懸命思っていた。

その気持ちが届いたのが死後だというのが、余りにも悲しい。

それでも、先生の「部長」への信頼は、確かに届いたのだった。

 

こんな宅配業者が出来ないかなぁ!即利用するのに、とは言っても、誰に何を贈るのか?

 

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2022.03.15

ヨード入りうがい薬、続けたら…

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ヨード入りうがい薬、続けたら…70歳女性「私、おかしくなった?」

ヨードの取り過ぎは危険だとは、以前から言われていた。
昆布類の食べ過ぎもよくないと。

この方も、ヨード取り過ぎによる甲状腺ホルモン低下症だった。
ある首長の言葉も、引き金になっていたとか。
うがいとは言っても、若干喉に入ってしまうこともあったようだ。

みんな、不安を抱えている。
それこそ「藁をもつかむ」気持ちで、医学に素人の誰かの言うことでも鵜呑みにすることもあるのだろう。

ワクチンはかなり行き渡った(と思う)が、万一の場合の治療薬の開発が待たれる。

 

画像は、藤井寺にある道明寺天満宮の能楽殿。

 

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2022.03.14

辰巳浜子【料理歳時記】

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著者:辰巳浜子
価格:796円
カテゴリ:一般
発行年月:2002.9
出版社: 中央公論新社
レーベル: 中公文庫
利用対象:一般
ISBN:4-12-204093-0

いまや、まったく忘れられようとしている昔ながらの食べ物の知恵、お総菜のコツを、およそ四〇〇種の材料をとりあげて四季をおってあますところなく記した、日本の おふくろの味 総集篇。

 

戦後まもなくの話だろうか?

まさに、「料理の歳時記」である。

著者が戦争中の体験から、ご自宅の庭に色々な野菜や山草まで植えて、ほぼ「自給自足」の食生活をなさっているお姿。

「金柑の甘露煮」から始まって、春夏秋冬さまざまな野菜や料理が出てくる。
庭の野草を摘んで食べれば、八百屋で売っているはしりの野菜など、質素だけどおいしそう。
自分で真似はとうていできないが。

しかし出てくる食材も調理も、馴染みのものばかりだ。
いつ頃まで、こういう暮らしが普通だったのだろう?さすがに広い野菜畑や樹木は当時からどこでも可能とはいかなかったが。

やや意地悪な見方だが、関西に住むお孫さんの話がおかしかった。
ある夏休み、鎌倉へ遊びに来るお孫さんたちから、食事は洋風でとダメ出しされたとか。
しかも、お豆腐が食べられない。
「鎌倉の孫は食べた」とあったのも、悪いけど笑ってしまった。

しかしこのお孫さんたち、我々とそう年が違わないと思われるのだが、もう和食を拒否していたのか?

そう言えば、バイトで大きな会社に行ってたころ。食堂で「洋ランチ」と「和ランチ」があって、女性の多くが「洋ランチ」を選んでいた。「和ランチ」の方が好きだった自分は、すでに少数派だったのか。

色々な献立を懐かしく思い出せた良書だった。もう作ってみる気にはならないが。

 

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2022.03.13

工藤阿須加さん

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朝日新聞土曜日beの「週間番組表」に、工藤阿須加さんが登場しておられた。

工藤監督の息子さんだという。
よく見れば、似ているかなぁ。
父上は童顔で可愛いという感じだが、この方はイケメンだ。

「本筋が通った武士の役がよく似合う」という書き出しだった。
そう言えばTwitterで、最近「武士とその妻」のツイートが割合頻繁にある。
この方見たことないなぁと眺めていたのだが、それが工藤阿須加さんだったのだ。

池波正太郎原作のドラマで、婿養子に行った先の名誉を守るために立ち上がるという役どころ。

面白そうな話だが、ご本人は「これで面白くなかったら阿須加の責任」と周りに言われ、「愛あるプレッシャー」を感じているとか。

 

画像は二年前の今日。つれあいの入院していた病院でのランチ。
あの頃はよく病院へ行っていた。

もうすぐ2年経つ。

 

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年度末

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3月に入って、理事会や運営委員会が増えてきた。

先日も某所の理事会で、何名かの方が年度末退任とのことで、寂しくなる。

定年の方も多いようだ。

現在関係するサイトが改修中で、大きな影響を受けている。

 

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2022.03.12

西村京太郎【新・寝台特急殺人事件】

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【新・寝台特急殺人事件】
著者:西村京太郎
価格:605円
カテゴリ:一般
発売日:2013/06/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
ISBN:978-4-16-745443-2

殺意を乗せた寝台特急が、夜の闇の中を疾走する。『寝台特急殺人事件』から25年を経て描く、渾身の記念作品。

 

「読書メーター」で間違えて登録してしまったので、慌てて本書を読む。

以前読んだ【寝台特急殺人事件】の新版かと思ったがちがった。まったく違う本だった。

今回の主な舞台は、「さくら」。長崎まで行っていて、当時は「はやぶさ」と一緒に東京を出ていた。この頃のはやぶさは、もう西鹿児島まで行かずに熊本止まりだ。

主役の仁科という青年は、ひたすらカンボジアへ行くことを願っている。
しかし思わぬトラブルに巻き込まれ、殺人を犯してしまう。
相手は非常に怖い団体の一人で、彼は追いかけられることになる。

勿論事情を知った警察も動いて、長崎日向かっている「さくら」の中での心理戦が始まる。

この仁科を、海外青年協力隊で今回一緒にカンボジアへ向かう予定の青年たちがかばう。
もちろん、恋人も必死で彼を守ろうとする。

しかし肝心の仁科の登場場面が少なく、また他の人の話にも人柄などが伺える記述もない。

驚いたのは、仁科が無事「さくら」で長崎へ到着できたこと。
このいきさつが、非常に面白かった。「国鉄一家」というのは、つれあいの親戚にもいたので判る気もするが。

最後にようやく、仁科の人柄が少し判ってよかった。

長崎へは、京都発の「あかつき」で二度行っている。

最後はラストランの年だった。

十津川たちが入ったレストランやホテルは、その時使ったところかもしれない。

 

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2022.03.11

「これ詐欺だったの?」──「えきねっと」をかたるメール

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「これ詐欺だったの?」──「えきねっと」をかたるメール、手口の巧妙さが話題に “自動退会処理”に注意

 

このメール、自分のところにも来た。
「えきねっと」には入っていたが、iPhon(さらにはApple Watch)でSuicaを使えるようになってから、クレカ紐付けのSuicaも、使わなくなっていた。

「えきねっと」はまったく使っていない。今回の「自動退会処理」も、それでいいやと思っていた。

この「えきねっと」の設定は色々ややこしくて、使い勝手は悪かった。

もしまだ使っていたら、今回のメールは信用していたかもしれない。

「手口の巧妙さが話題に」とあるが、まったく信用ならないメールが多い。
ちょっとでもおかしいなと思ったら、Googleで検索して記事を探すようにはしているのだが。

 

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2022.03.10

鮎川哲也【わるい風】

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著者:鮎川哲也
価格:734円
カテゴリ:一般
発行年月:2007.12
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-74356-7

控え目だが着実に事件解決に迫る名探偵・鬼貫警部の推理力と人間的魅力。傑作短編集!

 

冒頭作【青いエチュード】

とある社長と美人秘書の間に割り込んだホステス。彼女の入れ知恵で秘書を殺してしまった男の破滅。

 

【夜の訪問者】

ここでは鬼貫は直接登場せず、私立探偵がコツコツと事件を解決していく。
そして最後に、鬼面宛てに捜査間違いを指摘する。
しかし、んん??タクシーに乗ったのは、結局誰?

ラーメンが一杯70円なのには、笑ってしまった。

 

【いたい風】

通風はまさに「いたい風」だが、これは痛い目に遭わされた男の復讐譚。それにしても、毒を入れたコーヒー腕を取り替えるときは、ソーサー毎動かさないかなぁ?これが命取りになったのだが、少々不自然。
あとの「作品ノート」によると、読者への挑戦的な意味合いがあったようだ。

本書にはもう一度、痛風を利用するものがあるが、著者ご自身が痛風で苦しんでおられたのだとか。

 

【まだらの犬】

ついホームズの似たようなタイトルを思い出してしまったが、この犬は直接関係ない。昔は靴磨きというお仕事もあった。まさにプロの眼。

 

【楡の木荘の殺人】

ここからは大陸の話で、位置関係などピンとこない。

 

他に収録作は

【わるい風】

【殺意の餌】

【MF計画】

【悪魔が笑う】

付録がそれぞれの「作品ノート」として7篇あった。

 

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2022.03.09

柊坂明日子【おばさん探偵 ミス・メープル 3】

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著者:柊坂明日子
価格:638円
カテゴリ:一般
発売日:2021/11/05
出版社: 小学館
レーベル: 小学館文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-09-407088-0

令和の世に生きながら、心はいまだ昭和と共にある。キュートでやさしいおばさん探偵の活躍、第3弾!

 

シリーズの2で商店会のくじ引きで「豪華客船の旅」が当たったおばさん探偵と編集者。

その船旅会社の社長は、おばさんの古い友だちだった。
幸せだろうと思われた彼女にも、悩みがあって……。
カジノでも特別扱いされることをつまらないと思う、おばさん。持てるものの贅沢なわがまま。

 

読んでから日が経ってしまって、3巻までの中身がごちゃ混ぜになっている。

読書メーターの書評も、1巻目は多いが、2巻目・3巻目になるとグンと減ってきている。

毎回同じような話(しかも現実感の無い話)で、最初は「浮世離れしていていいなぁ」と思っても、飽きていくのかもしれない。
頑張って読んだよ>自分

最後の「バラ窓のホテル」だったか、固定資産税を払うために仕事をするおばさん。
しかし筆が進まなくてホテルに缶詰になる。そのホテルがひどすぎて、一層気が滅入っている。

そこへ友人のはからいで、薔薇園のあるホテルへ移ることが出来た。
そこは、おばさんが小さい頃よく泊まりに来ていたところだった。

この話が一番よかったかなぁ。
老朽化したホテルは取り壊される運命だったが、その友人が買い取って元の雰囲気を残して再建してくれるのだとか。

「探偵」という括りには入らないようなおばさんだったが、編集者の吉井君の存在がよかった。

 

この手のシリーズものはどうしても二番煎じが多くなる。

しかし毎回表紙カバーに登場する猫たちが可愛かった。

 

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「たび」の空の下、妻を思った万葉びと

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「たび」の空の下、妻を思った万葉びと 国文学者・中西進さんに聞く

先々週だったか、朝日新聞夕刊で偶然見つけたコラム。
かなり以前から月一くらいの頻度で連載されているようだ。

このご時世、汽車に乗らなくなって2年余が過ぎた。
『あーー、鉄分不足』と嘆く我が身だが、万葉時代の人たちにとっては、旅は今生の別れかもしれなかった。また、実際に帰らぬ人も多かったことは、「万葉集」にも歌われている。

いや江戸時代でさえ、旅に出ることは一大事だったろう。

「たび」とは、愛する人と暮らす日常の生活秩序から外れてしまうこと

まさにその通りだったのだろう。柿本人麻呂の最後の歌にも、よく現れている。

 鴨山の岩根し枕(ま)けるわれを

 かも知らにと妹が待ちつつ

 あるらむ

中西進さんの文章は他でも読む機会があり、いつも惹かれている。

紙版の新聞を読むことは殆ど無いので、また次をいつ見つけられるだろうか。

 

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2022.03.08

中島さなえ【わるいうさぎ】

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著者:中島さなえ
価格:612円
カテゴリ:一般
発売日:2018/09/13
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-52147-4

〈わるいうさぎ〉と、たぬきの〈タンバ〉、 〈イタいねずみ〉〈おもいたぬき〉〈ほしいいぬ〉〈あまいうさぎ〉〈みたいとり〉が主人公の、泣ける連作短編集。

 

「ラボ」と呼ばれている実験室では、動物たちが飼われている。
彼らは毎日実験用に外へ出される。あるとき帰ってこなくなった動物は、処分されてしまったのだ。

その研究員たちに反抗する「うさぎRB203」は、研究員たちに「わるいうさぎ」と呼ばれている。

そしてとうとう逃げ出したうさぎは、外の世界でさまざまな経験をする。

短編集だが、話は少しずつ繋がっていて、それぞれの主人公たちが一生懸命生きていく。

著者は中島らもさんのお嬢さんで、本書がデビュー作だとか。

「人間らしさ」ならぬ「その動物らしさ」を求めた「わるいうさぎ」の勇気に感服。

 

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2022.03.07

作家の西村京太郎さん、91歳で死去

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作家の西村京太郎さん、91歳で死去 トラベルミステリーの第一人者

西村京太郎さんと言えば、十津川警部とトラベルミステリー。
その第一作が【寝台特急殺人事件】だという。

本書を読んだのは17年8月5日で、意外と遅かった。

他にも、著作はかなりたくさん読んでいる。

 

関連記事

【寝台特急殺人事件】(17.08.05)

 

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ドラマ「軽井沢殺人事件」

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岩ちゃんが令和の浅見光彦に!

原作を活かしつつ、二つの事件を一つのものにしてしまったりと、1時間半枠でのドラマ作りの工夫が見られる。
また、原作が87年出版でその頃の話なのに比して、ドラマは現在、まさに令和4年である。
従って戦時中の話は70年頃のことになり、何と「浅間山荘事件」を持って来た。

海軍将校と華族令嬢との恋は、過激派青年と元華族令嬢との恋に置き換えられている。
そして当時その華族のお手伝いだった女性の日記が、事件を解く鍵になっている。

原作では浅見光彦対信州のコロンボ竹村との対決は、あまり出てこなかった。軽井沢警察署は竹村の独走を少々持て余し気味。
対してドラマでは、竹村の危機を浅見が救ったり、相互の信頼関係が見受けられる。

そしてお決まりの、浅見の身元が割れるシーン。
警察官同士で漫才をしているような展開になっていて、これには違和感があった。

 

また、原作にはない「軽井沢のセンセ」登場は、100作記念ゆえか?
光彦役から、兄陽一郎役、そして今回は「軽井沢のセンセ」役と取り組んだのは、榎木孝明。

岩ちゃんの浅見役は、ピッタリだと思う。
おのずから醸し出される育ちの良さは、まさに「坊ちゃま」だ。
Twitterでも、絶賛の声多数。

丘みつ子の雪江役には、ガッカリ。
上品さがないし、イメージとまったく違う。

 

シリーズ化されないかなぁ!

最後近く、浅見と竹村の電話で二人とも『また逢いましょう』と言っている。
期待していいのかもしれない。

 

画像は、ちょうど5年前の今日。富士川から見た富士山。
ここから見るのが、一番好き。

 

 

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2022.03.06

安野光雅【旅の絵本 全10冊】

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著者:安野光雅
価格:15,620円
カテゴリ:3~5歳
発売日:2022/01/07
出版社: 株式会社 福音館書店
利用対象:3~5歳
ISBN:978-4-8340-4480-5

世界を魅了した「旅の絵本」シリーズ全10冊セットです。
1977年に1巻目が刊行されてから45年。ついに10巻目の刊行となりました。これを機に、各巻より1場面ずつ、10枚の絵がデザインれた美装ケースに入ったセットをつくりました。
訪れたのは、中部ヨーロッパ、イタリア、イギリス、アメリカ、スペイン、デンマーク、中国、日本、スイス、オランダ。美しい街並みや自然の風景、そこで暮らす人々を克明繊細に描きます。さりげなく描き込まれた童話の主人公や名画の一場面などを探すたのしみも「旅の絵本」シリーズのみどころです。

2020年12月の逝去後、安野さんのアトリエから、オランダの美しい風景の絵が見つかりました。以前から「次の『旅の絵本』はオランダで」とおっしゃられていた安野さんのことば通り「オランダ編」の原画が完成していたのです。
『旅の絵本X オランダ編』刊行にあわせて、全10冊をセットにまとめました。

以前何冊か買って、レビューしたことがある。
その時は三冊ほどをセット購入したものらしい。
「読書メーター」で「いいね」が付き、何年ぶりかで思い出した。

 

安野さんの逝去後のアトリエからオランダの風景の絵が見つかって、これが「オランダ編」として刊行されたのだとか。
そして10冊の合本が、今年の1月に完成。なんと45年の歳月が経っていた。


ずっしりと重い その10冊入りの箱には、各巻から1場面ずつ、10枚の絵がデザインされている。

折に触れ、一冊ずつ眺めていくのが楽しみだ。

 

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2022.03.05

アンソニー・パーキンスさん

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昨日夕刊の「三谷幸喜のありふれた生活」に、アンソニー・パーキンスの名前が出てきた。

この連載コラム、知っている話はいいが、作者がマイナーな話をしているとまったく面白くない。
今回の「スティーブン・ソンドハイム」という方はまったく知らないから、またかと思いつつ読んでいくと、トニー(アンソニー・パーキンス)が出てきたのだった。

中学時代の同級生でトニー大好きなのがいて、その影響もあってか、彼の出演作はよく見ていた。

60歳で亡くなっていたんだったなぁ。

そう言えば、映画の「オリエント急行殺人事件」にも出演。被害者(実は昔の加害者)の秘書役。
三谷の日本版では、二宮和也が演じていた?

 

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2022.03.04

内田康夫【軽井沢殺人事件】

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著者:内田康夫
価格:660円(角川文庫版)
カテゴリ:一般
発売日:1990/10/03
出版社: 角川書店
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:4-04-160715-9

お馴染み名探偵・浅見光彦と、「信濃のコロンボ」こと竹村警部が初共演! 霧の軽井沢を舞台に、上流社会と日本の暗部を暴く!

 

書影は角川文庫だが、読んだのは光文社文庫のunlimited版。
「お客様は、2013/02/28にこの商品を注文しました。」とあった。まさに9年前、今回のドラマ放映日に入手していたのだった。
従って読んでいるはずだが、まったく覚えていない。

今回岩ちゃんが浅見光彦を演じたので、原作を読もうと思った次第。

内容は、かなり嫌な話。
スッキリした解決もならず、浅見自身モヤモヤが残っている。
まさに、「上流社会と日本の暗部」は結局暴かれないまま終わってしまった。
この辺、ドラマではどう決着をつけるのだろう?

他の方のレビューにも、二人の絡みが少ないとか、終わり方がモヤモヤしているとかいうのがかなりあった。

この「場所によって少し遠くのものが色々な形に見える」というのは、意識してなくても近場でも体験するところである。

 

 

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2022.03.03

スマホ紛失騒動記

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昨日のこと。

買いものから帰っていつものように手と目を洗い、うがいをする。

購入品をそれぞれの場所におさめ、出かける前の仕事の続きをする。
もうすぐ昼食というとき、1件電話をしようとしたが、iPhoneがない。無い!無い!

確か帰宅したときに「evernote」に「帰宅」と入力したはず。
「入力したはず」だが、果たしてしたのだろうか?

家へ入ってから使ったのなら、外で落としたとは考えられない。
だが、果たして「入力」したのだろうか?と、段々自信がなくなってくる。

家へ入ってからの動線を何度もたどって探すが、見つからない。見つからない!見つからない!

 

昼食の用意をしたが、食欲無し。

家電から掛けても、ウオッチが振動するだけで本体の反応無し。

かなり落ち込んでしまったのだが、結論を言うと、見つかりました!
バッグから滑り落ちていたのだった。

本体をバイブにしていないから、つい近くで家電から呼んでも聞こえなかったのだ。

もっともっと、慎重に扱おう!!

 

画像は、ちょうど10年前の今日、3月3日。日比谷公園にて。

 

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目覚まし玉露

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Twitterでだったか、「目覚まし玉露」という言葉を知った。
何でも阪大生考案ということで、あらかじめ紙コップに玉露が入っていて、お湯を注ぐとお茶が飲める。

応援購入して、待つこと半年?だったか3ヶ月くらいだったか、先日届いた。

確かに手軽だ。
仕込まれた玉露を蒸らして、あとは3煎目まで飲める。

紙コップは「Leaf Tea Cup」とコラボとのことで、以前からあったものらしい。

肝心のお味だが、ま、こんなものかな?
リピートは? うーん、しないかな。

 

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2022.03.01

小湊悠貴【ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人5】

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著者:小湊悠貴
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2021/12/17
出版社: 集英社
レーベル: 集英社オレンジ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-680421-9

新緑がまぶしい5月、薔薇咲く猫番館で従業員の友人をもてなすためにピロシキづくりに挑戦する紗良。そして紗良と要の関係は? さまざまな想いが動き出す第5巻。

 

相変わらずサクサク読めて楽しい。

一泊目

紗良はルームシェアをしていた愛美と仲違いして以来ずっと、気にかけていた。

一方の愛美も、自分の非を認めて謝りたいと思っていた。

シェフの弟が経営しているレストランでは石窯があると知り、紗良は見学したいと思っていた。

以前挑戦的にホテルに乗り込んできた彼とともに、紗良はシェフに連れられてそのレストランへ行く。

ちょうど営業で訪れていた愛美と出会い、紗良は別れた際のことをわびる。

愛美は充分に謝ることが出来ず、その日はそのままだったが……。

自分の失礼な態度を謝りたかった彼も、愛美と同様の気持ちだった。

また、シェフと兄も、ギクシャクして彼は店を辞めたのだった。

紗良は、本当にいい娘だ。
育ちの良さが自然に出てくる。「天然」とも言えるが、本人はまったく意識していない。

 

二泊目はいきなり40年前から始まる。

昭和時代の古い喫茶店。そこは、中学生だったの誠と宗一郎がこっそり入っていた場所だ。


その月の末に廃業するというので、誠は宗一郎の息子要と自分の姪紗良を誘って訪れる。

その喫茶店で出てきた「小倉トースト」が美味しそうだったので、作ってみた。
ちょうど「乃がみ」の食パンが来る日だったので、その到着を待つ。

できばえは?
大変おいしゅうございました。

 

という風に、あいだに看板猫「マダム」の語りを挟みながら、三泊目・四泊目と進む。

いつかこういうホテルのスイートに泊まってみたいと思いながら、お籠もりの日々は過ぎていく。

 

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小湊悠貴【ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人】(20.10.15)

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小湊悠貴【ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人3】(20.11.19)

小湊悠貴【ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人4】(21.09.07)

小湊悠貴【ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人5】小倉トースト(22.03.01)

小湊悠貴【ホテルクラシカル猫番館  横浜山手のパン職人6】(22.07.08)

 

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2月の読書メーターまとめ

2月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3805
ナイス数:1886

波の音が消えるまで 第1部: 風浪編 (新潮文庫)波の音が消えるまで 第1部: 風浪編 (新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-3a8b0e.html
これは第一部で、まだまだ続きがあるようです。カジノって、怖いですね。
読了日:02月27日 著者:沢木 耕太郎


新100のきほん 松浦弥太郎のベーシックノート(マガジンハウス新書)新100のきほん 松浦弥太郎のベーシックノート(マガジンハウス新書)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-13cd0f.html
さて、自分の「100のきほん」は決まったのでしょうか?
読了日:02月27日 著者:松浦弥太郎


ほとけの心は妻ごころ (角川文庫)ほとけの心は妻ごころ (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-ecf636.html
自分勝手な夫たちに対し、従っているとみせかけて実は翻弄している妻たちは格好いいかも。
読了日:02月27日 著者:田辺 聖子


記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫)記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-8cd5a3.html
今回、冴子は積極的に外へ出て行きます。
読了日:02月27日 著者:大山 誠一郎


こうして誰もいなくなった (角川文庫)こうして誰もいなくなった (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-12e589.html
有栖川小説の見本市とのことです
読了日:02月26日 著者:有栖川 有栖


万国菓子舗 お気に召すまま ~お菓子、なんでも承ります。~ (マイナビ出版ファン文庫)万国菓子舗 お気に召すまま ~お菓子、なんでも承ります。~ (マイナビ出版ファン文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-cec707.html
おいしいお菓子のオンパレードですが……
読了日:02月26日 著者:溝口 智子


文庫手帳2022 (ちくま文庫)文庫手帳2022 (ちくま文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-f68eaa.html
「読んだ」というのとは違う気がしますが、本書(?)を読書ノートにしようかなと思っています。
読了日:02月22日 著者:安野 光雅


ののはな通信 (角川文庫)ののはな通信 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-21f4d6.html
地の文も会話文もなく、ひたすら手紙とメモのみで進んでいきます。
読了日:02月17日 著者:三浦 しをん


早春に死す~鬼貫警部事件簿~ (光文社文庫)早春に死す~鬼貫警部事件簿~ (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-d1c2a2.html
この時代ならではの時刻表トリックが、とても懐かしいです。
読了日:02月16日 著者:鮎川 哲也


駅物語 (講談社文庫)駅物語 (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-12bae9.html
なぜ主人公は「東京駅」の駅員になったのか?解ってはいても、応援したくなります。
読了日:02月13日 著者:朱野帰子


明日の友 256号 早春 2022年 03月号 [雑誌]明日の友 256号 早春 2022年 03月号 [雑誌]感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-a84155.html
特集は「くたびれないご飯作り」なのですが、「常時手抜きの自分が読んでもねぇ。」なのです。
読了日:02月12日 


古書カフェすみれ屋と本のソムリエ (だいわ文庫)古書カフェすみれ屋と本のソムリエ (だいわ文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-8df9f0.html
一度に書き切れなかったので、三回に分けて書いています。
読了日:02月10日 著者:里見蘭


おばさん探偵ミス・メープル 薔薇窓ホテルにて (小学館文庫 C ひ 2-3 キャラブン!)おばさん探偵ミス・メープル 薔薇窓ホテルにて (小学館文庫 C ひ 2-3 キャラブン!)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-486577.html
実は外交官のお嬢さまだった「おばさん探偵」。缶詰にされた原稿書きホテルは、昔よく訪れたところでした。
読了日:02月08日 著者:柊坂 明日子


積木の塔~鬼貫警部事件簿~ (光文社文庫)積木の塔~鬼貫警部事件簿~ (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-b9a12c.html
在来線がまだまだ活躍していて、魅力的な寝台特急や寝台急行が目白押し。もっと乗ってみたかったなぁ。
読了日:02月04日 著者:鮎川 哲也


京都東山「哲学の道」殺人事件 赤かぶ検事シリーズ (講談社文庫)京都東山「哲学の道」殺人事件 赤かぶ検事シリーズ (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/02/post-c29a49.html
赴任地の官舎が「哲学の道」沿いにあるとは、なんともうらやましいです。
このあとも京都地検勤務なのでしょうか?
読了日:02月03日 著者:和久峻三



読書メーター

 

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「盗まれるほど人気なトイレットペーパー」 1個50円で売るわけは

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「盗まれるほど人気なトイレットペーパー」 1個50円で売るわけは

 

逆の発想というか、ユーモラスな呼びかけが効果を現した事例かも。

といっても、どんな場面にも通用するかというと、難しい面もあるだろうが。

「旅のお土産」というのも、楽しくていい。

 

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