辰巳浜子【料理歳時記】
著者:辰巳浜子
価格:796円
カテゴリ:一般
発行年月:2002.9
出版社: 中央公論新社
レーベル: 中公文庫
利用対象:一般
ISBN:4-12-204093-0
いまや、まったく忘れられようとしている昔ながらの食べ物の知恵、お総菜のコツを、およそ四〇〇種の材料をとりあげて四季をおってあますところなく記した、日本の おふくろの味 総集篇。
戦後まもなくの話だろうか?
まさに、「料理の歳時記」である。
著者が戦争中の体験から、ご自宅の庭に色々な野菜や山草まで植えて、ほぼ「自給自足」の食生活をなさっているお姿。
「金柑の甘露煮」から始まって、春夏秋冬さまざまな野菜や料理が出てくる。
庭の野草を摘んで食べれば、八百屋で売っているはしりの野菜など、質素だけどおいしそう。
自分で真似はとうていできないが。
しかし出てくる食材も調理も、馴染みのものばかりだ。
いつ頃まで、こういう暮らしが普通だったのだろう?さすがに広い野菜畑や樹木は当時からどこでも可能とはいかなかったが。
やや意地悪な見方だが、関西に住むお孫さんの話がおかしかった。
ある夏休み、鎌倉へ遊びに来るお孫さんたちから、食事は洋風でとダメ出しされたとか。
しかも、お豆腐が食べられない。
「鎌倉の孫は食べた」とあったのも、悪いけど笑ってしまった。
しかしこのお孫さんたち、我々とそう年が違わないと思われるのだが、もう和食を拒否していたのか?
そう言えば、バイトで大きな会社に行ってたころ。食堂で「洋ランチ」と「和ランチ」があって、女性の多くが「洋ランチ」を選んでいた。「和ランチ」の方が好きだった自分は、すでに少数派だったのか。
色々な献立を懐かしく思い出せた良書だった。もう作ってみる気にはならないが。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 仁木悦子【聖い夜の中で】(2025.03.27)
- 【本の雑誌 3月号】(2025.03.25)
- 江口恵子【普段使いの器は5つでじゅうぶん。】(2025.03.21)
- 堂場瞬一【英雄の悲鳴 ラストライン7】(2025.03.19)
- 篠田真由美【センティメンタル・ブルー】(2025.03.17)
コメント