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2022.03.24

朝比奈あすか【憧れの女の子】

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著者:朝比奈あすか
価格:641円
カテゴリ:一般
発売日:2016/03/10
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-51873-3

男女の日常に生じたさざ波から見える、人間の愛おしさやつよさ。「心にしみる人間賛歌!」と王様のブランチでも絶賛された傑作短編集。

 

表題作【憧れの女の子】は、男の子が二人いる夫婦の話。

次はどうしても女の子が欲しいと、色々情報を集めて廻る。

だが努力の甲斐もなく、次に授かったのも男の子だった。まだ胎内にいる内から性別が判るから、中には産み分けたいと願った性と違うからと胎児を殺す親もいるとか。

しかし結局二人はその命を守り、又次を目指す。

それから6年後、更に一人男の子が増えていて、妻は妊娠中。
その性別を医者に告げられるところで、話は終わっている。

【ある男女をとりまく風景】では、ジェンダー問題を取り上げている。

ところどころ違和感があり、それが伏線になっていた。

マスミはゴミ出しにも近所の主婦たちの視線を気にしたり、婦人会館での趣味の会でもフレンドリーな態度で臨むようにしている。
そこで作ってきたモビールをみたジュンは、そんなガラクタを作って、と機嫌が悪い。

ジェンダー問題に取り組んでいたのに、結婚後のジュンの態度に戸惑うマスミ。

結局、男は働くべし、主婦はこうあるべしという価値観は変わっていないのだった。
少々肩透かしを喰らった感じ。

【弟の婚約者】

これまた、気持ち悪い家族関係。
息子が、7歳年下の弟が、可愛くてたまらない母子。
何だか異常だ。

その母親に「失格」とされる弟の恋人の方がまともだ。

姉も又、婚約者の母親から失格とされて結婚しなかった過去を持つ。

いやーな母親たちは、現在も健在?

【リボン】

リボンをつけて接客するカフェのオーナー。これまたジェンダー問題を含んでいる。

【わたくしたちの境目は】

妻を亡くした初老の男の、色々な思い出など。

長男一家が温泉に誘ってくれ、秘湯で過ごす一夜。
そこは、妻と一緒によく来た場所だった。
温泉行きだけでなく、妻との思い出がよぎって消える。

これが一番よかったかな。

 

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