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2022.04.24

中村颯希【神様の定食屋】

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著者:中村颯希
価格:672円
カテゴリ:一般
発売日:2017/06/15
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-52012-5

料理には誰かの想いがこもっていることを実感する、読んで心が温まる一冊。

 

妹とともに両親の遺した定食屋を継ぐことになった哲史は、なぜかこの世に未練を残した魂に憑かれることになり−。母のチキン南蛮、夫のオムライス…人とご飯を繫ぐハートフルストーリ...

突然定食屋をしていた両親に逝かれ、店を手伝っていた妹に懇望されて仕事を辞めて手伝う羽目になった哲史。
店のことが何も判らない彼は、妹にきつく当たられる。

むしゃくしゃした気持ちのままふと立ち寄った神社で、料理がうまくなりたいと神頼みをした哲史は、この世に思いを残したまま亡くなった人を体内に取り込むことで、料理を習う(?)ことになる。

一皿目 チキン南蛮

引きこもりだった息子が気になるお母さん。哲史の脳内でひっきりなしに喋るが、哲史の手は彼女の指示通りに動いていく。
閉店間際の店になぜかタイミングよく現れたのは、そのお母さんの息子だった。
母が亡くなってから就活に励み、サラリーマンとなっていた息子は、出されたチキン南蛮に母の味を思い出す。
「おいしい」という気持ちを、生前の母に伝えられなかった彼は後悔し、泣く。

哲史の脳内では、また母も号泣している。

二皿目  天たまかけご飯

常連客の顔も覚えていないと妹に罵られて、またも神頼み。

今回は、愛想の無い板前さんだった。
彼が思いを残したのは、店の隣にあるレストランのオーナーだった。

そしてまたもやタイミングよくそのオーナーが現れ……、という展開。
彼はテレビにもよく出ている、有名シェフだった。

表向きはライバル同士だが、板前の「天たまかけご飯」はシェフだけのための料理だった。

という風に、以下

厳しい姑と実はそれに感謝してたたずまいも姑の教え通りになっているギャル風お嫁さん。
最後の介抱をしたかったと泣く彼女だが、実は妊娠している体を気遣って側へ寄せなかった。

実に陽気なフランス人。妻の待つレストランへ急ぐときに、事故で亡くなってしまう。
日本人と違って愛の言葉の連発で、哲史も辟易してしまう。

そして、妹に絡んでくる客と喧嘩してしまった哲史だったが、嫌がらせにSNSで中傷される。
客足がパタッと減ってしまった店に、件の⒋人が訪ねてくれ、SNSにはSNSでと、それぞれの特技を活かして逆襲してくれる。

三皿目 具だくさん豚汁

四皿目 フレンチ風オムライス

五皿目 「てしをや」名物・唐揚げ

と、それぞれの美味しい一品を紹介しつつ、最後は両親を呼び出して貰う。

店の名前「てしをや」の由来も、そこで初めて知る哲史。

ほのぼの系の、ま、癒やされる一冊だった。

これもシリーズものなのか、最後に常連さんの一言『一人の方が乙女の心を云々』という言葉が気に掛かる。

 

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